2023年09月24日 オールカマー G2
優勝馬:ローシャムパーク
プロフィール
- 生年月日
- 2019年02月10日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦6勝
- 総収得賞金
- 281,207,000円
- 母 (母父)
- レネットグルーヴ by キングカメハメハ
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 田中 博康
- 騎手
- C.ルメール
函館記念(G3)で重賞初制覇を果たして臨んだオールカマー(G2)。人気こそタイトルホルダーやジェラルディーナといったG1馬に譲ったものの、ローシャムパークの前走からの勢いは本物だった。
「函館記念(G3)よりも更にメンバーが強化されていた中で、どこまでいい勝負ができるのかという思いがありました。人気馬たちは休み明けであり、こちらはレースを使ってきた上積みはあるとの期待はありましたが、それでも完勝と言っていい内容には驚かされています」とはノーザンファーム空港の木村純一厩舎長。ここに来ての本格化を予感させた函館記念(G3)の勝利でもあったが、木村厩舎長もまた、これまでとは違ったレース内容に胸が高鳴る思いをしていた。
「4コーナーで大外を回したのは、5着に敗れたスピカSと一緒でしたが、そこから他馬を突き放すかのように伸びた脚色を見て、大分成長したのだなと思いました」(木村厩舎長)
その函館記念(G3)を勝利した後は、窪田淳調教主任に話を聞かせてもらっていたが、窪田主任も能力を高く評価されていながらも、その能力を引き出すべく、馬体の良化に時間をかけていたことを話していた。
「馬体が薄かったというのか、成長が上に上にといった感じで、一気に体高だけが伸びていきました。その中でも調教の内容は落とさないように乗り込んでいったのですが、なかなか身になっていかずに苦労した思い出があります」(木村厩舎長)
2歳の9月にデビューして以降は、ゆったりとしたローテ―ションを取られながら、3歳秋のセントライト記念(G2)では重賞初挑戦ながらも3着に入着。その時ですら、木村厩舎長の目には、まだまだ良化の余地が残っているように見受けられていた。
「改めて振り返ると、セントライト記念(G2)も好メンバーが揃っていたのだと思います。その後も間隔を開けながらレースを使ってもらいましたが、馬体調整も難しい中で、田中博康先生や厩舎の皆さん、そして、ノーザンファーム天栄のスタッフが、どのレースでも常にいい状態に仕上げてくれたことが、今回のレースにも証明されていたと思います」
そう話した木村厩舎長はもう一人の殊勲者として、「馬とのコンタクトを図りながら、最高の騎乗を見せてくれていたルメール騎手にも感謝しかありません」と函館記念(G3)でも重賞勝利へと導いたルメール騎手への感謝を口にした。
「行く気がある上に飛びも大きいので、折り合いには苦労する印象もありました。それでもルメール騎手は前に馬を置かなくとも、いい位置で競馬をさせてくれていました。あの位置でレースができていたからこそ、最後の直線で、更に後続を突き放していけたのだと思います」(木村厩舎長)
この4歳世代が厩舎を任された後、馴致から出がけた最初の世代となる木村厩舎長だが、朝日杯FS(G1)と日本ダービー(G1)と京都記念(G1)を制したドウデュース、ホープフルS(G1)と中日新聞杯(G3)を制したキラーアビリティ、そして、今年のダービー卿ChT(G3)を制したインダストリアに続く、この世代4頭目の重賞ウィナーとなった。
「本当に馬に感謝したいのと、そして、その馬たちに携わってきたホースマンの皆さんにも感謝するだけです。ただ、こうした結果が出てくるのは、共に働くスタッフとっても励みとなりますし、ローシャムパークもまたG1制覇が見えてくる勝利となったのも嬉しいです」(木村厩舎長)
次走は12月10日にシャティン競馬場で行われる香港C(G1)の出走が、所属するサンデーサラブレッドクラブから発表された。十分なレース間隔を挟んだことで、更に成長したローシャムパークが、一気G1制覇へと駆け上がってくれるはずだ。