重賞ウィナーレポート

2023年09月10日 セントウルS G2

2023年09月10日 阪神競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:テイエムスパーダ

プロフィール

生年月日
2019年04月25日 04歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:15戦5勝
総収得賞金
151,202,000円
レッドスパーダ
母 (母父)
トシザコジーン  by  アドマイヤコジーン
馬主
竹園 正繼
生産者
浦河小林牧場 (浦河)
調教師
木原 一良
騎手
富田 暁

 サマースプリントシリーズ最終戦で、優勝馬にはスプリンターズS(G1)への優先出走権が与えられる「第37回産経賞セントウルS(G2)」は、なかば強引にハナを奪った富田暁騎手騎乗の14番人気テイエムスパーダがマイペースに持ち込んで、そのまま1分7秒2の好タイムで優勝。3歳夏に、日本レコードをマークしたCBC賞(G3)以来の重賞勝利となった。転厩3戦目でテイエムスパーダを重賞勝利に導いた木原一良調教師は18年東海S(G2) (テイエムジンソク)以来の重賞勝利でJRA重賞10勝目。手綱を取った富田騎手は49回目の重賞騎乗で嬉しい初勝利となった。

 テイエムスパーダの生まれ故郷は、1961年創業の浦河小林牧場。その歴史の中で90年のJRA賞最優秀古牝馬パッシングショットや、02、03年の目黒記念(G2)2連覇のトシザブイ、12年プロキオンS(G3)に勝ったトシキャンディ、20年中京記念(G3)に勝ったメイケイダイハードなどを送り出してきた牧場だ。

 この日、テレビを通して応援していたという同牧場の小林孝範代表は「CBC賞(G3)で日本レコードをマークしたあと、なかなか自分の競馬をさせてもらえず、今回は人気もなくなってしまいましたが、能力があるところを証明できて嬉しいです」とほっとしたような声で答えてくれた。「木原厩舎の方々がいろいろ工夫してくれていたのは見聞きしていましたので、そういったことに馬が応えてくれたのも嬉しいし、何よりもあの勝利がフロックではなかったことが証明されてよかった」と感謝の意を表した。

 「父のレッドスパーダは、イーストスタッドにも繋養されていたタイキシャトルの産駒という意味でも注目していました。G1競走は勝てませんでしたけれども、重賞3勝でNHKマイルカップ(G1)2着。馬格があって、スピードもあるので良い子を出してくれるだろうなと思って、種牡馬となった年にもトシザコジーンに配合しているのです。それが全姉のナーゲルリング。満足できる産駒だったので、もう1度配合して生まれたのがテイエムスパーダです」と出生秘話を話してくれた。

 「この馬も生まれたときはバランスが良くきれいな馬。高い評価を与えられる馬でした。牧場時代はおとなしくて、手がかからなかったという印象が残っています」と当時を振り返ってくれた。

 そして、この勝利で堂々とスプリンターズS(G1)へ向かう。

 「生産者としては、何よりも無事にレースを終えてくれることが1番です。スプリンターズS(G1)では楽な競馬はさせてもらえないと思いますが、自分の力を出し切れるような競馬を期待したいと思います」と応援メッセージを預かった。