重賞ウィナーレポート

2023年08月27日 キーンランドC G3

2023年08月27日 札幌競馬場 曇 重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ナムラクレア

プロフィール

生年月日
2019年03月30日 04歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:14戦5勝
総収得賞金
524,632,000円
ミッキーアイル
母 (母父)
サンクイーンⅡ(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
奈村 睦弘
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
長谷川 浩大
騎手
浜中 俊

 10月に中山競馬場で行われるスプリンターズS(G1)の重要な前哨戦であり、サマースプリントシリーズ第5戦「第18回キーンランドカップ(G3)」が8月27日に札幌競馬場で行われ、浜中俊騎手騎乗の1番人気ナムラクレアが1分9秒9(重)で優勝した。

 管理する長谷川浩大調教師の重賞勝利は今年1月のシルクロードS(G3) (ナムラクレア)以来で通算4勝目。鞍上の浜中騎手の重賞勝利は今年7月の函館2歳S(G3) (ゼルトザーム)以来の重賞勝利で通算55勝目。ナムラクレアの父ミッキーアイルにとっては今年2月の京都牝馬S(G3) (ララクリスティーヌ)以来の重賞勝利となり、通算11勝目となった。

 ナムラクレアの生まれ故郷は浦河町の谷川牧場。1912年(明治45年)創業の老舗牧場だ。本場のほか2つの分場で生産、中期育成を行っているほか、BTC軽種馬育成調教センターの施設などを使って後期育成などを行う総合牧場。その歴史の中でダービー馬タケホープやオークス馬タケフブキ、チョウカイキャロル、菊花賞馬ミナガワマンナ、東京大賞典(Jpn1)、フェブラリーS(G1)、ジャパンダートダービー(Jpn1)を制したサクセスブロッケンなどを送り出している。

 この日、同牧場の谷川貴英代表は札幌競馬場で、実弟で牧場専務の寿郎専務とともに愛馬優勝に立ち会えたそうだ。「中間は函館競馬場で調整されていたそうですが、パドックでも良い状態に見えました。開催後半になって馬場が荒れてきていましたし、この日は雷雨でレースが一時中断されるほど。枠順(7枠14番)にも恵まれたかもしれませんが、強い勝ち方だったと思います」と感想を述べ「競馬場に足を運んでいただいた奈村オーナーと喜びを分かち合う事ができました。そういう意味でも1日になりました」と笑顔を広げた。

 ナムラクレアの母サンクイーンⅡは英国タタソールズ社の繁殖セールで、奈村オーナーから依頼を受けたムラヤマ・ブラッドストック社が落札した。当時のことを谷川代表は「ファンディーナの母ドリームオブジェニーと同じファミリーで、当牧場にとっては馴染みのある血統なのですが、正直言えば私自身に迷うところがありました。よい勉強をさせてもらったと今でも思っています」

 ミッキーアイルとの配合は「オーナーが決めてくれました」とのこと。牧場時代の印象は「運動神経がよく、動きの良い馬。けがや病気ともほとんど無縁で、育成時代も順調に過ごした馬です」と振り返ってくれた。

 「次走はスプリンターズS(G1)になると思います。4つも重賞競走勝たせていただいたことには本当に感謝していますが、桜花賞(G1)が3着で、今年の高松宮記念(G1)が2着。親子2代でお付き合いいただいている奈村オーナーはもちろんですが、長谷川先生はじめ厩舎の方々、関係いただいている方々の思いに応えるために頑張ってほしいと思います」とエールを送った。