重賞ウィナーレポート

2023年09月03日 新潟記念 G3

2023年09月03日 新潟競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ノッキングポイント

プロフィール

生年月日
2020年01月30日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
120,507,000円
モーリス
母 (母父)
チェッキーノ  by  キングカメハメハ
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
木村 哲也
騎手
北村 宏司
  • ダービー卿ChT(G3)を勝利したインダストリアも育成馬となる
    ダービー卿ChT(G3)を勝利したインダストリアも育成馬となる
  • 休憩所にはG1を勝利した育成馬のパネルが飾られている
    休憩所にはG1を勝利した育成馬のパネルが飾られている

 昨年6月のメイクデビュー東京を快勝。続くサウジアラビアRC(G3)でも一番人気の評価を与えられたノッキングポイント。育成に関わったノーザンファーム空港の木村純一厩舎長だけでなく、周りからも高い評価を集めていた。

 「育成厩舎に馬を連れて来てくれたイヤリングスタッフも、送り渡しの時から高い評価をしていました。騎乗調教を始めてからも、その期待感が増していくような動きを見せていました」(木村厩舎長)

 早期移動を可能とした完成度の高さに加えて、管理をしている木村厩舎でも順調に調整が行われたこともあり、期待通りと言えるメイクデビューでの勝利となったが、育成時から顔をのぞかせていた前進気勢の高さがサウジアラビアRC(G3)、そしてジュニアCでの敗戦と言う形で表れてしまう。

 「精神的に高ぶってしまうがばかりに、調教で攻め切るとコントロールが効かなくなるとも聞いていました」(木村厩舎長)

 ただ、レース経験や調教を重ねるごとに、それは解消されていくようになり、3歳1勝クラスを勝って臨んだ毎日杯(G3)でも0秒1差の2着に入着する。

 そして、この世代の頂点を決める日本ダービー(G1)では、15番人気ながらも5着に入着。改めて能力の高さを証明するとともに、初めての芝2400mの距離もこなしたことで、改めて折り合い面の成長を感じさせた。

 「このメンバーでもいいレースをしてくれるのではとの期待はありましたが、レース内容も良かっただけでなく、距離もこなしてくれたのは嬉しかったです」(木村厩舎長)

 ノッキングポイントが次走に選んだのは、1984年にグレード制が導入されてからは、まだ3歳馬が1頭しか勝利していなかった新潟記念(G3)となった。古馬とは初めてのレースであり、しかもハンデ戦と言うことでその斤量が気になっていたという木村厩舎長であったが、54kgに落ち着いたことに安堵感を覚えていた。

 「実力馬たちとも斤量差がありましたし、付け入る隙はあると思っていました。また内枠に入った枠順や、この日は前残りレースが続いていた馬場など、ノッキングポイントに味方する条件が揃っていました」(木村厩舎長)

 運があっても実力が無ければ勝てないのが競馬でもある。だが、先週の新潟2歳S(G3)をアスコリピチェーノで勝利していた、鞍上の北村宏司騎手は、ノッキングポイントをインコースに入れて折り合いを付けていく。直線ではそこから危なげなく抜け出していき、外から追い込んできたユーキャンスマイルの追撃を1馬身差振り切って優勝。4度目の挑戦にして、初めて重賞タイトルを手にすることとなった。

 「ここにいた頃から重賞級の馬だと思っていただけに、ようやくそれを叶えてくれたとの思いがあります」(木村厩舎長)

 4歳世代では日本ダービー(G1)を制したドウデュースや、ホープフルS(G1)の勝ち馬であるキラーアビリティなど、厩舎を任されてからは毎年のように重賞馬を送り出してきた木村厩舎長となるが、3歳世代からも再びG1候補が誕生した感がある。

 「育成厩舎と言う1つのチームとして、各世代ごとに重賞に手が届く馬を送り出したいと思っています。ノッキングポイントもG1での活躍が楽しみになりますし、次のレースでは心身ともに更なる成長を遂げてくれるはずです」(木村厩舎長)

 注目の次走は菊花賞(G1)となることが、サンデーサラブレッドクラブのホームページ上で発表された。次は芝3000mの距離と、再び未知の領域へと挑んでいくノッキングポイントであるが、今回のように折り合いがついたレースができたのならば、十分にチャンスはありそうだ。