重賞ウィナーレポート

2023年07月12日 ジャパンDダービー(中央交流) Jpn1

2023年07月12日 大井競馬場 曇 良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミックファイア

プロフィール

生年月日
2020年04月05日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:6戦6勝
総収得賞金
186,500,000円
シニスターミニスター(USA)
母 (母父)
マリアージュ  by  ブライアンズタイム(USA)
馬主
星加 浩一
生産者
高橋フアーム (静内)
調教師
渡邉 和雄
騎手
御神本 訓史

 第25回ジャパンダートダービー(Jpn1)は7月12日大井競馬場ダート2000mで行われ、羽田盃、東京ダービーを無敗で勝ち進んできたミックファイアが優勝した。同馬は新ひだか町の高橋ファームの生産馬。騎手は御神本訓史。調教師は大井所属の渡邉和雄。ミックファイアはジャパンダートダービー(Jpn1)が南関東クラシック三冠に指定されてから初めての無敗三冠馬となり、生産者の高橋ファームにとっても栄誉ある初のJpn1勝利となった。

 1960年頃から軽種馬の生産に携わっていたという高橋ファームは、現在代表を務める高橋政夫氏と、長男の政弘さん、次男の政則さんら家族と外国人スタッフで生産、そして中期育成を中心とした事業を行っている。

 「レース当日は、園田競馬場で働く一番下の弟(和則さん)も駆けつけ、兄弟3人で応援しました」と政弘さん。ミックファイアは1冠目の羽田盃、続く東京ダービーをともにレコードタイムで、いずれも2着に6馬身差の圧勝。「(単勝オッズが1.5倍だった)東京ダービーのときは必ず勝たなければ!というムードでしたが、今回は強いJRA所属馬が7頭も出走していたので、胸を借りるつもりでの応援でした」というが、不敗の三冠馬誕生を願うファンによって愛馬は再び1番人気に支持された。

 「パドックでは前走、前々走よりも大人しく落ち着いた雰囲気で周回しており、レースもこれまでとは違った展開になりましたが、本当によく頑張ってくれたと思います。無敗で三冠を達成した瞬間は兄弟三人で抱き合って喜びました。こんな嬉しい気持ちになったのは初めてです。まさに夢のようでした」。

 「高橋ファームではミックファイアと同期になる2020年生まれの馬は16頭ほどいましたが、その中での評価は中位くらいでした。実際、サマーセールでは500万円(税別。平均価格は約630万円)でしたからね…。当歳の頃は“やんちゃ”な性格でしたが、1歳になった頃からスイッチの切り替えが上手になって、ON・OFFがはっきりしていました。高橋ファームは厩舎から放牧地まで200mくらいの距離を公道にそって引いていきます。スタッフには往復の際に、人馬のコミュニケーションをはかるように伝えています。こういう日々の人と馬との会話や、馬のメンタル面での鍛錬が大事だということがミックファイアで証明できました。母馬マリアージュは繁殖を引退しました。最後の産駒はスマートファルコンの牝馬です。確かに馬づくりは苦労も多く大変ですが、こうした夢のような出来事が起きるのですね。羽田盃に出走できた点でも、ミックファイアは本当に運が強いのかもしれません。彼には心から感謝しています」

 ジャパンダートダービー(Jpn1)は3歳ダートグレード競走の整備により来年から“ジャパンダートクラシック(Jpn1)”と名称を変え10月に実施される。ミックファイアの今後は地元大井競馬場で開催されるJBCクラシック(Jpn1)、そして結果次第では暮れのJRAチャンピオンズカップ(G1)に参戦するものと見込まれている。(文中敬称略)