重賞ウィナーレポート

2023年07月15日 函館2歳S G3

2023年07月15日 函館競馬場 曇 重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゼルトザーム

プロフィール

生年月日
2021年02月18日 02歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
48,232,000円
ヘニーヒューズ(USA)
母 (母父)
ロザリウム  by  キングカメハメハ
馬主
宮川 純造
生産者
富田牧場 (浦河)
調教師
加用 正
騎手
浜中 俊

 7月15日に函館競馬場で行われた2021年生まれ世代のJRA最初の重賞「函館2歳S(G3)」は、重馬場コンディションで行われ、レース前半は中団やや後方に位置していた浦河町の富田牧場が生産した10番人気ゼルトザームが、勝負どころの3コーナー手前から気合を付けられながらグイグイ進出。最後の直線でも馬場の外目を力強く抜け出して1分11秒7で優勝した。

 ゼルトザームの生まれ故郷は浦河町にある(有)富田牧場。1940年創業という長い歴史を持つ牧場で、早くから中期育成を重要視し、天皇賞馬カミノテシオやダービー2着馬インターグッド、京都記念(G2)など重賞2勝ナイスナイスナイス。近年ではヴェンジェンス(19年みやこS(G3))サンライズソア(18年平安S(G3))キャンディバローズ(15年ファンタジーS(G3))ケイアイレオーネ(13年シリウスS(G3))などを送り出している。

 今回、牧場テレビから応援していたという同牧場の3代目当主となる富田秀一さんは「ダートの新馬戦を勝ち上がった馬ではありますが、牧場時代から高い評価を与えられる馬で、芝でも動けそうな体付きだなと思っていました。結果から言えば洋芝で重馬場というのも味方してくれたのかもしれませんが、レース前に思い描いていた以上に強い勝ち方をしてくれたのが嬉しかったです」と声を弾ませ「翌日の日曜日に、同じ宮川オーナーの馬で中京競馬場のメイン競走で1番人気になった馬がいて、そちらも期待していたのですが2着でした。競馬は、なかなか思うようにはなりません」と苦笑い。それでも「こうして馬が活躍してくれることで、長く牧場を応援いただいているオーナーに少しでも恩返しができたなら嬉しい。加用厩舎の方々、浜中騎手、そして後期育成を担当したファンタストクラブの方々のおかげです」と相好を崩した。そのファンタストクラブの後條雄作場長は「牧場から移動してから競馬場へ送り出すまでケガや病気をすることなく順調の一言。健康で体力自慢の馬でした。当時から仕上がりが早いというようも、長い目で楽しめそうな馬だと思っていましたので、こんなに早く大きなタイトルを取ってくれたのは嬉しい誤算」と目を細め「まだまだ伸びしろがある馬だと思う」とエールを送っている。

 ゼルトザームの母ロザリウムはノーザンファーム繁殖牝馬セールで購入したという。「ローズキングダムの全妹で、いわゆる薔薇一族。この血統らしく大きな馬ではなかったですが、品があってバランスの良い馬でした。そのときに受胎していたヘニーヒューズ産駒がゼルトザームですし、当牧場で配合し、生まれたルヴァンスレーヴの牝馬も、サマーセールで高い評価をいただきました。ロザリウムに出会わせてくれたせりに感謝です。大切に育てていきたい血統です」と笑顔を広げている。