重賞ウィナーレポート

2023年07月16日 函館記念 G3

2023年07月16日 函館競馬場 曇 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ローシャムパーク

プロフィール

生年月日
2019年02月10日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦5勝
総収得賞金
281,207,000円
ハービンジャー(GB)
母 (母父)
レネットグルーヴ  by  キングカメハメハ
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
田中 博康
騎手
C.ルメール

 荒れると言われる函館記念(G3)。その通りに過去10年で1番人気が勝利したのは1度だけとなっており、15番人気→13番人気→3番人気での決着となった2020年には、三連単で343万2,870円もの配当も記録されている。

 だが、今年の函館記念(G3)は1番人気の支持を集めたローシャムパークが勝利。2着には4番人気のルビーカサブランカ、3着には2番人気のブローザホーンが入ったことで、3連単の配当も2万1,330円とこれまでの三連単の配当からすれば、落ち着いた決着におさまった。

 それだけに前走(むらさき賞)に勝利して、オープン入りしたばかりのローシャムパークを、1番人気に支持したファンの眼力は驚かされる。ここまで9戦5勝、3歳時のセントライト記念(G2)では2番人気の支持を集め3着に入着も果たしているも、ゆったりとしたローテーションが組まれてきたように、育成時から先を見ながら調整が行われてきた。

 「乗り出した頃から能力の高さを感じていました。ただ、牝馬かと思えたほどに線の細い馬体をしており、馬体の良化も含めて、時間をかけていった方がいい馬だと思っていました」と話すのは、ノーザンファーム空港の窪田淳調教主任。ただ、調教は順調に進められていただけでなく、ゲート試験にもすぐに合格したほどのセンスの良さも持ち合わせていた。

 2歳の9月にデビューを果たしたものの、初勝利をあげたのはそれから3戦目となる、3歳の2月の未勝利戦となった。

 「人気にも支持してもらいましたが、ここでしっかりと勝ち上がれたのは、後々のことを考えても大きかったです。レース内容的にも、ここから更に良くなっていくのだろうなと思えました」(窪田調教主任)

 窪田調教主任の期待通りに、続く山藤賞も勝利したローシャムパークであるが、その後はセントライト記念(G2)までの期間までを休養にあてる。

 「その頃はまだ、詰めて使えないという陣営の判断だったのだと思います。ただ、この馬に関しては田中(博康)先生も早い段階からじっくりやると話してくれていました。セントライト記念(G2)でも菊花賞(G1)出走権利は取れましたが、ここで無理をさせずに、次走に向けて時間を取れたことが、結果的に今回の重賞制覇へと繋がったのではないのでしょうか」(窪田調教主任)

 その函館記念(G3)はハンデ戦となったが、3勝クラスを勝ち上がったばかりにも関わらず、セントライト記念(G2)で3着となった実績が重視されたのか、56kgの斤量を課されることとなった。

 「他の馬の斤量を見ていても、それだけ評価されているのだなと思いました。ただ、これまでの走りを見ると広いコースの方があっているのではとは思いましたが、思っていた以上に器用に立ち回ってくれました」(窪田調教主任)

 結果は2着のルビーカサブランカに2馬身差を付ける快勝。そして次走はオールカマー(G2)に決まった。

 「ゆったりとしたローテーションで臨んでいけるだけに、今回も期待をしています。本当に良くなるのは5歳、ひょっとしたら6歳になるのかもしれませんが、現状でもこれだけのレースを見せてくれているだけに、オールカマー(G2)も楽しみです」と窪田調教主任は期待を寄せる。ここで重賞連勝となれば、秋のG1戦線での惑星馬ともなりそうだ。