2023年06月11日 函館スプリントS G3
優勝馬:キミワクイーン
プロフィール
- 生年月日
- 2019年03月31日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦5勝
- 総収得賞金
- 122,121,000円
- 馬主
- 浦邊 輝實
- 生産者
- 追分ファーム (安平)
- 調教師
- 奥村 武
- 騎手
- 横山 武史
キミワクイーンは、2020年のセレクトセール1歳セッションで2,200万円(税込み)で落札されている。そのセレクトセールの前に行われた、今年の函館スプリントS(G3)では後方一気の末脚を使い、見事に重賞を制覇してみせた。
「育成時の印象としてはとにかく扱いやすい馬でした。人の手をわずらわせたことが無いような、まさに優等生でしたね」と話すのは、追分ファーム・リリーバレーの加地洋太厩舎長。その後、デビューに向けての管理も順調に進められていくと、2歳6月のメイクデビュー東京に出走し、見事に優勝を果たす。
「育成時から非凡なスピード能力の高さが感じられていました。牧場の坂路もしっかりと駆け上がっていただけでなく、操作性にも秀でていました」(加地厩舎長)
その後は新潟2歳S(G3)で6着となるも、勝ち馬は同じ追分ファームの生産馬で、後にマイルCS(G1)を制するセリフォスであり、5着が秋華賞馬のスタニングローズだった。
その2頭を含めた上位5頭はオープン入りを果たしたし、重賞でも好走しており、キミワクイーン自身もレベルの高いレースを使ってきたことを証明するかのように、3戦目の2歳1勝クラスで2勝目をあげている。
「新潟2歳S(G3)のレース内容を見ても、まだまだ上に行ける馬だと思いました。ただ、その後は蹄のトラブルも含めて、順調さを欠いたこともあって、フィリーズレビュー(G2)の後は牧場に戻して休養をさせました」(加地厩舎長)
その際、キミワクイーンを万全な状態で競馬場へと戻すべく、加地厩舎長やスタッフ、そして獣医師や装蹄師などが意見を出し合いながら調整に努めていった。それが結果として表れたのが、昨年の札幌スポニチ賞での勝利であり、その時に加地厩舎長は洋芝適性の高さを感じ取るようにもなる。
「冬場にも3勝クラスを勝ってくれて、オープン入りしてからもいいレースを見せてくれていました。この函館スプリントS(G3)は距離、そして洋芝でのレースと、条件的にも合っていると思っていただけに、まさに期待していた通りの勝利となりました」(加地厩舎長)
キミワクイーンの浦邊輝實オーナーにとって、これが所有馬では初めての中央重賞制覇であり、また、収得賞金も1億円を突破した。
「勝った後、浦邊オーナーが物凄く喜ばれていると聞いた時には、自分も嬉しくなりました。オーナーにとって、これが初めての中央重賞制覇であるのは光栄なことでもありますし、自分の厩舎にとってもマドラスチェック(TCK女王盃(Jpn3))ぶりの重賞勝ちとなりました」(加地厩舎長)
函館スプリントS(G3)の後、キミワクイーンはキーンランドC(G3)への出走を目指して、追分ファーム・リリーバレーで調整が行われている。レースの疲れも無く、今年の夏は更に万全な状態でレースへと臨んでいけそうだ。
「この重賞勝ちは昨年の夏に試行錯誤をしてきたスタッフや、獣医師と装蹄師のおかげです。また、いい状態で重賞に臨ませてくれた奥村武先生や厩舎の皆さん、そして山元トレーニングセンターのスタッフなど、みんなの力で勝ち取った重賞だと思っています」(加地厩舎長)
キーンランドC(G3)で重賞制覇を果たした時、キミワクイーン関係者の団結力は更に強くなっていくのだろう。