2023年06月03日 鳴尾記念 G3
優勝馬:ボッケリーニ
プロフィール
- 生年月日
- 2016年04月04日 07歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:25戦7勝
- 総収得賞金
- 452,299,000円
- 馬主
- 金子真人ホールディングス (株)
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- 浜中 俊
21年の三連単の配当の635,640円を含め、過去10年で3連単の10万円超えが4回記録されてきた鳴尾記念(G3)は、「荒れる重賞」とも言える。ただ、データを取っていくと年齢や人気を問わず、重賞勝ち馬といった実績馬の好走が目立っているのと、ノーザンファーム生産馬が5頭勝利している。
優勝馬のうち2頭(19年…メールドグラース、22年ヴェルトライゼンデ)の育成を手掛けてきたのが、ノーザンファーム早来の山内厩舎。ボッケリーニの勝利で、育成厩舎としても鳴尾記念(G3)連覇となったが、その兄となるラブリーデイの育成にも、山内厩舎長は深く関わってきた。
「横手主任が厩舎長だった頃にもトゥザグローリーとルーラーシップが優勝しています。主任となってからの管理馬でも、パフォーマプロミスもこのレースを勝っているように、僕らにとっては縁のある重賞なのかもしれませんね」と山内大輔厩舎長。しかも、今年の鳴尾記念(G3)にはボッケリーニの他に、同じ育成馬としてワンダフルタウンも送り出していた。
「ワンダフルタウンも人気こそありませんでしたが、ひょっとしたら、ボッケリーニとワンツーフィニッシュもあるのでは、と思えた程のレースをしてくれました。それにしても7歳という年齢を感じさせないようなレース内容は立派だったと思います」(山内厩舎長)
ボッケリーニは当初、昨年に続く連覇を狙うべく目黒記念(G2)への出走を示唆していたが、ハンデを嫌って鳴尾記念(G3)に矛先を変えてきた。
「目黒記念(G2)は昨年勝っているレースではありましたが、これまでの実績からしても、鳴尾記念(G3)の条件はボッケリーニに合っていると思っていました」(山内厩舎長)
この日の阪神競馬場は前残りのレースが続いていたが、鞍上の浜中騎手もそれを分かっていたかのように、外を回りながらポジションを上げて行くと、4コーナー手前から一気に先頭へと躍り出る。内では逃げたフェーングロッテンが二の脚を使い、後続馬たちもボッケリーニに襲い掛かってくるも、その追撃を振り切って優勝。重賞3勝目をラブリーデイとの兄弟制覇という形で飾ってみせた。
「改めて凄い血統だと思います。年齢を感じさせないというのか、一年一年強くなっている感もありますが、それも池江厩舎やノーザンファームしがらきスタッフの管理があってだと思います。関係者の皆さんには感謝しかありません」(山内厩舎長)
ラブリーデイはこのレースを勝利した後に、宝塚記念(G1)でG1初制覇を飾っている。その全兄弟であり、同じバックボーンを歩み始めたボッケリーニが兄と同じようにG1馬となる日は、すぐそこまで来ている。