2023年05月20日 平安S G3
優勝馬:グロリアムンディ
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月13日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦7勝
- 総収得賞金
- 211,572,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- ベットーレ(ITY) by Blu Air Force(IRE)
- 馬主
- 吉田 和美
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 大久保 龍志
- 騎手
- 川田 将雅
日本球界どころか、メジャーリーグでも投打に渡るタイトルホルダー級の活躍で、すっかり『二刀流』の言葉を一般的とした、ロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平選手。
こと競馬界においても、最近では芝とダートの双方で重賞を沸かすような競走馬も珍しく無くなってきた。今年のダイオライト記念(Jpn2)で交流重賞を初制覇。そして、平安S(G3)でグレードレース初勝利をあげたグロリアムンディは、芝であげた初勝利の後に臨んだR-NIKKEI杯京都2歳S(G3)と、3歳時の若駒Sで1番人気に支持されたほどに、芝適性の高さも認められていた。
育成を手掛けてきた、ノーザンファーム早来の山内大輔厩舎長に、牧場時代の印象を聞かせてもらうと、「当時の印象としては、乗り味は悪くはありませんでしたが、ダート馬らしいと言えるような力強さは感じられませんでした。ただ、調教も順調に進み、移動先となったノーザンファームしがらきのスタッフからも『動きも良いですし、走ると思いますよ』と聞いていました」と話してくれる。入厩先となった大久保龍志厩舎でも、調教での動きの良さが評価される形で迎えた、メイクデビュー京都を1番人気で勝利。鞍上を務めた福永祐一騎手(現調教師)もレース後に、「重賞でも勝ち負けのできる馬」と高い評価を送っていた。だが、重賞、オープンともに好走は見せるものの、勝ちきれないレースが続いていた。
「芝の一線級を相手に勝ちきるには、スピードが足りなかったのかもしれません。ダートを走らせると聞いた時には驚きましたが、それでもすぐに結果を出してくれたあたりは、成長力とキングカメハメハ産駒らしい適応力もあったのでしょう」(山内厩舎長)
初のダート戦となった3歳1勝クラスから連勝を重ねていくと、4連勝目となる名古屋城Sにも勝利してオープン入り。続くアンタレスS(G3)では2着に敗れて連勝は止まったものの、ダート重賞を沸かす馬たちとも互角以上のレースをみせた。
宝塚記念(G1)を挟んで出走したチャンピオンズC(G1)でも2番人気を集めたが、G1の壁に阻まれたかのように12着に敗退。ただ、その頃の調子は決して完調では無かったと山内厩舎長は話す。
「チャンピオンズC(G1)のレースの後にしがらきのスタッフとも話しましたが、何とかレースに間に合わせたと状態だったそうです。ダイオライト記念(Jpn2)も調子が上向きの中でのレースとなりましたが、そこでも結果を残してくれましたし、更にいい状態で迎えたと聞いていた平安S(G3)は、期待していた通りのレースを見せてくれました」(山内厩舎長)
レース後、陣営は秋の大目標として、チャンピオンズC(G1)へ向かうことを表明。現在は放牧に出ているが、昨年より更に万全な状態でレースに迎えるのは間違いなさそうだ。
「平安S(G3)のレース内容からしても、牧場にいた頃からは更に成長して、より強くなっていると思いました。昨年のリベンジを果たしてもらいたいですね」と山内厩舎長。芝、ダートの二刀流から、ダートの一流馬へと上り詰めそうなグロリアムンディ。更に成長した姿を証明してくれるであろう、次走が楽しみでならない。