重賞ウィナーレポート

2023年05月07日 新潟大賞典 G3

2023年05月07日 新潟競馬場 雨 不良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カラテ

プロフィール

生年月日
2016年05月27日 07歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:35戦8勝
総収得賞金
258,328,000円
トゥザグローリー
母 (母父)
レディーノパンチ  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
小田切 光
生産者
中地 康弘 (新冠)
調教師
辻野 泰之
騎手
菅原 明良

 広い新潟競馬場のワンターン2000mコースで行われるハンデ戦「第45回新潟大賞典(G3)」は新冠町の中地康弘さん生産のカラテが、逃げた4歳馬セイウンハーデスを最後の直線でねじ伏せるようにして優勝。一昨年の東京新聞杯(G3)、昨年の新潟記念(G3)に続いて3つ目の重賞タイトルに輝いた。

 「休み明けでトップハンデの59kg。相手も強い馬ばかりでしたので、どんな競馬をしてくれるのか楽しみにしていました」とレースを振り返ってくれたのは、同牧場の中地広大さん。「厳しいレースになるとは思っていましたが、今回はカラテが得意とする馬場になりましたし、昨年秋にはイクイノックスやパンサラッサとさほど大きな差がない競馬をしてくれた馬。7歳になったとはいえ、恥ずかしい競馬はしてほしくないと思っていました」

 中地さんが言う、その天皇賞(秋)(G1)は勝ったイクイノックスからコンマ7秒差6着。このレースを勝ったイクイノックスはその後有馬記念(G1)に勝って年度代表馬になり、2着パンサラッサは今年2月のサウジカップ(G1)を逃げ切り勝ち。3着ダノンベルーガも今春のドバイターフ(G1)2着馬で、4着ジャックドールは大阪杯(G1)優勝馬。5着馬はダービー馬で、天皇賞(秋)(G1)のあとのジャパンカップ(G1)で2着となるシャフリヤールだった。

 「競馬ですから、そんな単純なものではないと思っていますが、やはり思い入れのある馬ですから、自分にとって都合の良いことばかりを思い浮かべながら勝ってほしいと願っていましたし、何よりもカラテにきっかけを作ってくれた菅原明良騎手が引き続き手綱を取ってくれたことも嬉しかったです」と控えめに喜びを表現してくれた。

 それは、まだカラテが4歳だった時の八丈島特別。3歳2月に未勝利戦を勝ってから、途中半年間の休養を挟んだとはいえ1年以上も勝利から遠ざかっていた8番人気カラテを勝利に導いたのは菅原明良騎手だった。「あのときも不良馬場でした。あの勝利があったからこそ、その年の暮れから翌年春にかけての3連勝があったと思っています」と感謝の言葉を重ねている。

 この勝利で3つ目の重賞タイトル。「勇退された高橋先生や辻野先生、あるいはこれまで騎乗いただいた騎手の方々はもちろんですが、育ててくれた様似木村牧場や休養先の育成牧場などすべての人たちのおかげ」と謙遜するも、生産者としての立場から「カラテは5月27日生まれなのです。遅生まれの馬は、どうしても早生まれの馬たちと比べると成長がゆっくりのケースが多く、市場などでは購買者の方から低く見られがちではありますが、長い競走馬人生の中では決して大きなマイナスではなく、こういう馬もいるということをアピールできたのなら嬉しいです」とはにかんだ笑顔を見せてくれた。

 「次走は鳴尾記念(G3)と聞いています。7歳になりましたが、しっかりと間隔を空けながら大事に競馬を使ってくれているので、まだ老け込むことはないと思います。これからも、とにかく無事に、そして少しでも長く活躍してくれたら嬉しいです」と遠い北の空の下からエールを送っている。