重賞ウィナーレポート

2023年04月23日 フローラS G2

2023年04月23日 東京競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ゴールデンハインド

プロフィール

生年月日
2020年04月25日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:7戦2勝
総収得賞金
77,954,000円
ゴールドシップ
母 (母父)
オレゴンレディ(IRE)  by  Shamardal(USA)
馬主
(株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
生産者
ビッグレッドファーム (新冠)
調教師
武市 康男
騎手
菅原 明良

 2着馬までにオークス(G1)の優先出走権が与えられるフローラステークス(G2)。華やかな牝馬の頂上決戦への最終切符を手中にしたのは、新冠町ビッグレッドファーム生産のゴールデンハインドだった。

 前走のフラワーカップ(G3)は4角で先頭に並びかけようかというシーンがあったものの最後に伸びを欠いたのは「跳びが綺麗な馬でノメってしまったから」。その反動もなく、むしろ飼い葉をよく食べるようになって馬体重は10キロ増。レースでは今回が初騎乗となったものの、追いきりでの騎乗で本馬の特性をつかんでいた菅原明良騎手は「行ければ、逃げても良い」と指示を受け、迷いはなかった。抜群の好スタートからマイペースに持ち込むと最後の直線では早めスパートから後続を一気に突き放して先頭でゴールへと飛び込んだ。

 デビューから7戦目。2度目の重賞挑戦での初勝利となった。

 同ファームの蛯名聡マネージャーは「何とかオークス(G1)に出走させたいと思っていた馬ですが、嬉しいです。このレースには(ビッグレッドファームに繋養されている)ゴールドシップの産駒が3頭出走していましたが、ゴールドシップにとっても大きな1勝だと思います」と声を弾ませている。

 芦毛の賞金王ゴールドシップは現役引退後に種牡馬入り。これまでに4世代の産駒を送っているが、初年度産駒ウインマイティーは三冠牝馬に迫る3着で、2世代目産駒ユーバーレーベンはビッグレッドファームに初のクラシックタイトルをもたらしている。昨年もシーグラスが出走しており、今回の勝利で全世代において「オークス(G1)出走」という隠れた快挙を成し遂げることになりそうだ。

 蛯名マネージャーによれば「ゴールドシップ産駒の牝馬らしく、しっかりした骨格の持ち主で、体全身を使った柔らかい動きをしていたという報告を受けていました。それは育成に入っても変わることなくタフで丈夫な馬でした」と記憶の糸をたどってくれた。

 「2歳7月にデビューしたように育成時代を順調に過ごした馬でした。けがや病気とは無縁の健康優良児。良い意味で印象に残らないような馬で、キャリアの浅いスタッフでも安心して騎乗を任せられるような、そんな馬でした」と話してくれた。

 母は米国の芝重賞勝ち馬で、その母系をたどれば世界的な名門ファミリーにたどり着く。キーンランド社のオールエイジセールで購入した。「日本での初仔マイネルアストリアも重賞で入着してくれたように期待の大きな血統でした。この勝利で、堂々と胸を張ってオークス(G1)に向かうことができますが、まずは無事に。レースでは強い馬がたくさん出てくると思いますが、この馬の持ち味が十分に生かされるような競馬をしてほしいと思います」と楽しみにしている。