重賞ウィナーレポート

2023年04月22日 福島牝馬S G3

2023年04月22日 福島競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ステラリア

プロフィール

生年月日
2018年01月25日 05歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:13戦3勝
総収得賞金
120,364,000円
キズナ
母 (母父)
ポリネイター(IRE)  by  Motivator(GB)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
斉藤 崇史
騎手
団野 大成

 3歳時には忘れな草賞を優勝し、その年のオークス(G1)にも出走。秋のエリザベス女王杯(G1)では勝ったアカイイトから2馬身差の2着となったステラリアには、古馬となってからの更なる飛躍が期待されていた。

 ただ、4歳時の新潟大賞典(G3)の後に右前肢の繋靱帯炎を発症。約1年になる長期休養を挟んで出走してきたのが、今年の福島牝馬S(G3)となった。

 「全て順調に行く馬はいないとは分かっていながらも、重賞制覇が見えていた時期だっただけに残念でした。また怪我の症状や、規定で引退時期が決まっているクラブ所属馬であることからしても、このまま引退してしまうのではとの思いも頭をよぎりました」と話すのは白老ファームYearlingの吉田徹男厩舎長。ステラリアが吉田厩舎長の元で管理されるようになったのは1歳の夏からとなるが、その頃から目を引く馬体をしていたと話す。

 「バランスも良かっただけでなく、その後の成長の過程でも状態が大きく崩れることも無く、非常にいい状態で成長してくれました」(吉田厩舎長)

 その頃から競馬での活躍を期待していたとも話す吉田厩舎長であるが、その期待通りにデビュー3戦目で初勝利をあげたステラリアは、ベゴニア賞での2着を挟んだ後にクイーンC(G3)へと出走。結果は6着ながらも、上がり3ハロンの末脚はメンバー中最速タイとなる34秒1を記録していた。

 「その後、忘れな草賞を勝利してオークス(G1)まで進んでくれましたが、その活躍ぶりは想像以上でした。その年の秋にはエリザベス女王杯(G1)で2着ともなりましたが、あと少しで勝てたレースだっただけに、本当に悔しかったです」(吉田厩舎長)

 長期にわたる休養を挟んでの出走となったこの福島牝馬S(G3)であったが、勝ち負けよりも、まずは無事に走って欲しいとの思いでレースを見ていたと吉田厩舎長は話す。

 だが、G1 2着馬の能力はやはり健在だった。久しぶりのレース、しかもスローの流れにも関わらず、中段で折り合いを付けていくと、最後の直線では馬場の外目に進路を取り、ゴール前では先に抜け出したクリノプレミアムを捕らえ、そして、後方から追い込んできたビッグリボンの追撃を振り切る。

 「重賞を1つでも勝たせたいと思ってきただけに、ここでしっかりと勝ちきってくれて、本当に良かったと思います。脚元の不安はありますが、次のレースに出てくれるだけでも嬉しいので、そこでもしっかりと走り切ってくれたらと願っています」(吉田厩舎長)

 次走はヴィクトリアマイル(G1)への出走が決定。脚元のことを考えても、使えるレース数は限定されていくだけでなく、年齢的にも改めて繁殖入りの時期を探りながらの戦いとなっていく。

 ただ、ここでもG1 2着馬の能力が遺憾なく発揮できれば、繁殖入りした暁のブラックタイプには、「ヴィクトリアマイル(G1)1着」との文字が記されているのかもしれない。