2023年03月22日 桜花賞(GDJ)
優勝馬:メイドイットマム
プロフィール
- 生年月日
- 2020年04月06日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:9戦4勝
- 総収得賞金
- 81,076,000円
- 母 (母父)
- コマノスクアーロ by ゼンノロブロイ
- 馬主
- (有) 木村牧場
- 生産者
- 新井牧場 (むかわ)
- 調教師
- 石井 勝男
- 騎手
- 本橋 孝太
グランダム・ジャパン2023』3歳シーズンの開幕を告げる「桜花賞(浦和)」。今年から距離1500mに短縮、フルゲートも11頭から12頭に変更された南関東牝馬クラシック一冠目を、圧倒的1番人気に支持された2歳女王メイドイットマムが貫禄の走りで制した。
メイドイットマムの生まれ故郷である新井牧場(むかわ町)は、門別競馬場のすぐ近くに位置する。日高道からも望むことができる放牧地で、宝塚記念(G1)を勝って凱旋門賞(G1)でも2着したナカヤマフェスタや、京成杯(G3)の勝ち馬コマノインパルスなどが育った。
桜花賞当日は、テレビの中継を見ながら家族みんなで生産馬の走りを見守ったという代表の新井誠さん。「あまり得意じゃない競馬場だと聞いていたので、実力を出しきれるかちょっと心配だったんですよ。けっこう早く追い出したので、間に合うのかなと思って見ていました」とレースを振り返る。向こう正面から鞍上の手が動いたが、最後の直線に入ると急追し、先に抜け出していたサーフズアップをゴール前でかわして1馬身半差をつけた。「1番人気でそのまま勝つのは難しいですからね。ホッとしたような感じでした」と安堵の表情を浮かべる。
桜花賞の前には、JRA東京競馬場で行われるクイーンカップ(G3)にエントリー。2歳9月のJRAオープン・すずらん賞(札幌)以来となる芝レースに挑戦した。「出られる枠があるから使ってみたいんだとオーナーから聞いていたんです。中央挑戦っていうのは楽しみですよね。人気になっていないから、すごく気楽に見ていました」と新井さん。久しぶりの芝に戸惑ったのか序盤は最後方に置かれたが、最後の直線では上がり2番目となる34秒2の脚で差を詰める頑張りを見せた。
メイドイットマムには5頭の兄姉がおり、形やタイプが異なる馬が多い。ただ、父が同じノヴェリストの全兄コマノジャスパは比較的似た雰囲気があったという。「ノヴェリストが好きで種付けしたのですが、最初に生まれたジャスパはそんなに大きな馬じゃなかったし、マムはコロンとした印象の馬でした。形は似ていたかもしれないですね。性格がきつめなところは、きょうだいみんな同じなんだけどね」と苦笑い。コマノジャスパはダートで勝ち上がれず、芝に転向して好成績をあげた。逆にメイドイットマムは、ここまでダートで快進撃をつづけている。全兄妹で体型も似ているのに、得意とする舞台が異なる。それも競馬の奥深さなのかもしれない。
今年3月には、予定日から20日遅れてメイドイットマムの半妹(父ダノンスマッシュ)が誕生。「出産は予定日より遅れましたが、わりと安産でした。人が近づくと寄ってくるんです。放牧中は活発に動いていますよ」と生まれて1か月も経たない当歳馬を紹介。太平洋から吹く春風を気持ちよさそうに受け、小さな体を目いっぱいに動かしながら放牧地を駆け回っている。同じ放牧地には、母コマノスクアーロの4つ下の妹コマノサラサとその当歳(牝、父ジャスタウェイ)もいた。
メイドイットマムは次走、東京プリンセス賞(大井)で南関東牝馬二冠に挑む。「大井でこその馬だと聞いていますし、広いコースの方が合うような感じですよね」と期待を寄せる新井さん。2歳女王に輝いた競馬場で、また新たな勲章を積み重ねることができるか注目だ。