重賞ウィナーレポート

2023年03月12日 フィリーズレビュー G2

2023年03月12日 阪神競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シングザットソング

プロフィール

生年月日
2020年01月27日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
109,204,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
ザガールインザットソング(USA)  by  My Golden Song(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
(有)社台コーポレーション白老ファーム (白老)
調教師
高野 友和
騎手
吉田 隼人
  • シングザットソングもこの場所で心身ともに成長を遂げた
    シングザットソングもこの場所で心身ともに成長を遂げた
  • まさに春もうららかなイヤリングの放牧地
    まさに春もうららかなイヤリングの放牧地

 メイクデビューでは鮮やかな勝ち方を示したシングザットソングであったが、続く白菊賞と3戦目のエルフィンSでは出遅れて敗退。その2戦ともにメンバー中最速の末脚を記録していただけに、関係者にとっては悔やまれるレースともなっていた。

 「フィリーズレビュー(G2)ではスムーズにゲートを出てくれただけに、これならいいレースをしてくれると期待をしていました。ただ、道中の行きっぷりが良かっただけに、最後の直線で先頭に立った時には、ゴール前まで粘り切れるのだろうか?とも思ってしまいました」と笑顔を見せるのは白老ファームの横山泰司繁殖厩舎長。産まれたばかりのシングザットソングは、薄手の馬体ながらも品の良さが感じられていた。そして活発な気性をしていたという。

 「母のザガールインザットソングはそこまでうるさくない馬だっただけに、父のドゥラメンテが出ているのではと思いました。馬房でも落ち着かない様子を見せていましたが、白老ファームYearlingに移ってからは気性面の成長も見られていたと聞いていました」(横山厩舎長)

 その後は社台ファームで騎乗育成が行われた後に、高野厩舎へと入厩。2歳10月のメイクデビュー阪神では1番人気に応えて優勝を果たす。だが、2戦目以降は気性面の難しさも顔をのぞかせたのか、白菊賞ではゲートが開くと大外へと向かっていっただけでなく、エルフィンSでは出脚が付かずに後方からのレースを余儀なくされる。

 「気性面の難しさがここで出てしまったのではと思います。ただ、高野先生や厩舎の皆さんが、その辺をケアしながら調教を進めてくれたことが、フィリーズレビュー(G2)の好スタートに表れたと思います」(横山厩舎長)

 エルフィンSのレース後、高野厩舎では調教と並行するように入念なゲート練習も行ってきた。それはフィリーズレビュー(G2)での好スタートにも繋がっていった。

 1000m通過は56秒9と速い流れになったが、残り1ハロン過ぎで先頭に立ったシングザットソングは、そのまま押し切りを図っていく。外から後方で脚を溜めていたムーンプローブが迫ってくるも、クビ差残しての勝利。デビュー4戦目にして初重賞タイトルを手にした。

 「スタートが決まれば先行して押し切れるだけでなく、末脚勝負の展開になったとしても、確実に伸びて来るような脚質の幅を証明できたのも嬉しいです。母系はスタミナもある上に、この経験が更なる気性の成長にも繋がっていけば、更に距離が伸びても楽しみですね」と横山厩舎長はフィリーズレビュー(G2)から距離が1ハロン延びた、桜花賞(G1)での好走も期待する。重賞馬の母となったザガールインザットソングは、ブリックスアンドモルタルの産駒をこの春に出産予定。産まれてきたきょうだいはいきなり、桜花賞馬の姉を持つ良血馬となっている可能性も出てきている。