重賞ウィナーレポート

2023年03月25日 日経賞 G2

2023年03月25日 中山競馬場 曇 不良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タイトルホルダー

プロフィール

生年月日
2018年02月10日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:14戦7勝
総収得賞金
1,068,751,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
メーヴェ(GB)  by  Motivator(GB)
馬主
山田 弘
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
栗田 徹
騎手
横山 和生

 天皇賞(春)(G1)を目指す馬たちによる第71回日経賞(G2)が3月25日に不良馬場の中山競馬場で行われ、前年の天皇賞(春)(G1)などG1 3勝の実績を持つ2番人気タイトルホルダーが、強気の先行策。伸び悩むライバルたちを尻目に最後の直線で圧巻の走りを見せて、同レース2連覇を8馬身差の勝利で飾った。

 タイトルホルダーは新ひだか町の岡田スタッド生産馬。圧倒的な強さをテレビの画面で確認したという岡田牧雄社長からは「有馬記念(G1)念のあとは福島県のノルマンディーファーム小野町に放牧に出し、再調整をしていました。1年前の日経賞(G2)は、有馬記念(G1)のあと右後脚を痛めてすべてのローテーションを白紙にしなければならないほど体調を崩していましたので、そのときに比べれば良い状態だったと思いますが、それでも昨年の天皇賞(春)(G1)や宝塚記念(G1)に比べると決して本調子というわけではありませんでした」と開口一番、意外な言葉が飛び出した。

 「時計のかかる馬場は得意とはいえ、59kgを背負っての不良馬場。有馬記念(G1)のレースも、本来のこの馬らしくないもので正直言って半信半疑でした。1週待って大阪杯((G1)という選択肢もありましたが、そうすると天皇賞(春)(G1)までのアプローチを変えなければならない。いろいろ考えた末に、昨年と同じ日経賞(G2)を選びました」と言葉を選びながらレースを振り返ってくれた。

 繊細なサラブレッドは、1度崩れた心身のバランスを元に戻すのは難しい。過去、そんな例は枚挙に暇がないほど見てきている。しかもタイトルホルダーは、出走すれば人気になる馬だけに多くのファンをがっかりさせるようなレースはしたくない。馬券を買うファンを何よりも大切にする岡田社長らしい言葉だが、終わってみれば圧巻の8馬身差。

 「勢いよくゲートを飛び出した時の走りを見て、ほっと胸を撫でおろしました。その走りができるなら(勝ち負けはともかく)この馬の走りをファンの方々に見てもらえると思いました」と白い歯を見せた。

 そして、史上6頭目となる天皇賞(春)(G1)連覇へと向かうことになる。

 「レース前は馬場状態を心配していましたが、終わってみれば馬場に助けられたという面もあるかもしれない。しかし、このレースを使ったことで体調は良くなるはず。競馬は、G1競走はそんなに甘いものではないと思うが、この馬らしい競馬を期待したいと思います」と表情を引き締めた。