2023年03月26日 高松宮記念 G1
優勝馬:ファストフォース
プロフィール
- 生年月日
- 2016年05月09日 07歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:29戦7勝
- 総収得賞金
- 313,847,000円
- 馬主
- 安原 浩司
- 生産者
- 三嶋牧場 (浦河)
- 調教師
- 西村 真幸
- 騎手
- 団野 大成
3月26日中京競馬場で行われた第53回高松宮記念(G1)は浦河町の三嶋牧場生産馬ファストフォースが優勝した。浦河町杵臼に拠点を構える三嶋牧場は他にも幾つか分場をもち、BTC(軽種馬育成調教センター)で育成もおこなう総合牧場。同牧場にとっては、2021年安田記念(G1)を優勝したダノンキングリーに次いで2回目のG1優勝となる。
この日、同じく生産馬のバスラットレオンがアラブ首長国連邦で行われるゴドルフィンマイル(G2)に出走していたため、同牧場の三嶋健一郎氏はドバイの地からファストフォースのG1挑戦を応援していたという。
「レースはグリーンチャンネルで観戦しました。当日の日本は雨で馬場も渋っていたし、あまり人気もなかったので、勝つ自信はありませんでした。でも前走シルクロードS(G3)では惜しい2着だったので、展開が向いてくれればいいなと思っていました。前走より馬体が絞れて(8kg減)いたのは良かったです。状態がよければある程度の結果は出してくれるかなあと…」
12番人気で出走したファストフォースは、そんな生産者の思いを良い意味で裏切る快走劇を演じて見せた。悪いコンディションの中、中団より後ろに控えていた同馬は残り200m付近で先頭に躍り出ると、外から迫ってきた2番人気ナムラクレアを制して優勝。団野大成騎手、西村真幸調教師、二人にとってはG1初制覇となった。
三嶋氏は「G1優勝は牧場にとって2頭目です。特別なことですので、もちろん嬉しいです。ファストフォースは4コーナーもスムースに回ってきて、団野騎手もうまく乗ってくれたと思います。最後まで本当によく頑張ってくれたと思います。母のラッシュライフは安原オーナーがジェイエスの繁殖馬セールで購買されて、うちの牧場に預けてくれました。父ロードカナロアは安原オーナーが考えて配合したこだわりの血統です。ファストフォースは1歳秋までこちらで育成して、その後はファンタストクラブに預けられました。」
ファストフォースは3歳6月に阪神競馬場でデビューし2着は2回あるものの、なかなか白星をあげられず、同年8月のレースを最後にホッカイドウ競馬に移籍。4歳になって3勝して中央競馬に戻り、5歳のCBC賞(G3)では芝1,200m日本レコードを更新して優勝した。その後はまた苦戦が続き6歳時には8戦して1勝もあげることができなかった。今年は2戦目になるが、7歳でのG1レース優勝は厩舎関係者の努力の賜物だろう。2011年にキンシャサノキセキが8歳で高松宮記念(G1)を連覇したが、日本調教馬としてはこれに次ぐ高齢馬の優勝となる。
三嶋氏は「中央競馬でデビューし6戦しましたが勝てず、門別競馬場で3勝して態勢を立て直しました。調教師もなかなか勝てない時期があって、かなり苦労されたのだと思います。ですから西村調教師もさぞ嬉しかっただろうなと思います。不良馬場でこうした勝ち方もできるとなると、今後の活躍にも期待したいですね」と期待を寄せている。