重賞ウィナーレポート

2023年03月19日 スプリングS G2

2023年03月19日 中山競馬場 晴 重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ベラジオオペラ

プロフィール

生年月日
2020年04月07日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
186,718,000円
ロードカナロア
母 (母父)
エアルーティーン  by  ハービンジャー(GB)
馬主
林田 祥来
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
上村 洋行
騎手
横山 武史

 2021年に続き、2022年もJBIS特設サイトを使用して、オンラインオークションでの開催となった千葉サラブレッドセール。

 初めてのオンライン開催となった2021年には、ドーブネ(牡4歳)がセール史上の最高額となる5億1,711万円(税込・以下同)で落札されている。その他にも5,000万円以上の取引馬は3頭を数えるなど、オンラインセールであることを感じさせないような、高額落札馬が続々と誕生した。

 その結果、総売上額はセールレコードとなる15億2,856万円となり、売却率も初めて100%を記録している。2022年は売却総額(8億9,342万円)こそ前年に及ばなかったが、それでも売却率は2年連続で100%となった。これも前年と同様に良質な上場馬がラインナップされていただけでなく、オンラインセールへの信頼感が深まった証とも言えよう。

 その2022年の取引馬から誕生した重賞勝ち馬がべラジオオペラである。社台ファームを代表する名牝系のアイドリームドアドリームの牝系に、父ロードカナロアという良血馬に加えて、公開調教のタイムでは2ハロンで22秒2を記録した。活発な応札が行われた結果、4,851万円で(株)ビープロジェクト(馬主としての名義は林田祥来氏)が落札している。

 「育成時はおっとりとした性格をしており、背腰にも緩さが残っていました。本格化の余地をかなり残していた中で臨んだセール直前の追い切りでは1ハロンで10秒8の時計を出した時には、驚きだけなく、競走馬としてのポテンシャルの高さも確認できました」とは社台F調教厩舎長の近藤哲也氏。2歳11月のメイクデビュー阪神を勝利したべラジオオペラは、3歳初戦となるセントポーリア賞も優勝。重賞初挑戦となるスプリングS(G2)でも2番人気の評価を集めていた。

 これまでの2戦では先行力を生かした走りを見せていたべラジオオペラではあったが、前に行く馬が揃っていたスプリングS(G2)では中団からレースを進めていく。初めてのフルゲートでも走りのリズムは崩れることなく、直線では外に進路を取ると、インコースから抜け出しを図るホウオウビスケッツを、1馬身1/4差交わした場所がゴールとなった。

 「2度目の騎乗となる横山武史騎手の好騎乗もあって、強い勝ち方を見せてくれました。管理をしていただいた上村(洋行)先生や厩舎スタッフの皆さん、そして中間の調整をしていただいたチャンピオンヒルズの皆さんのご尽力にも感謝するだけです」と近藤厩舎長。また上村調教師、林田オーナー共にこれが中央では初めての重賞勝ち馬ともなった。

 「上村先生だけでなく、林田オーナーにとっても初重賞制覇となったのがべラジオオペラであることが、牧場スタッフの1人としても、とても嬉しかったです。負けなしの快進撃で皐月賞(G1)へと臨めるだけに、この勢いのまま、上村先生と林田オーナーにG1タイトルを授けるような活躍を期待しています」(近藤厩舎長)

 今年の千葉サラブレッドセールは5月12日に開催。今年は船橋競馬場でのリアルセールとオンラインセールを併用したハイブリッド方式が取られるが、その際、鑑定人の前向上として、「今年、無敗の皐月賞馬を輩出した千葉サラブレッドセール」と語られているのかもしれない。