2023年03月05日 弥生賞ディープインパクト記念 G2
優勝馬:タスティエーラ
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月22日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 658,977,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 堀 宣行
- 騎手
- 松山 弘平
繋養初年度は207頭の繁殖牝馬に配合を行ったサトノクラウン。翌年には128頭の産駒が誕生し、その中から123頭が血統登録された。
昨年の夏からデビューを重ねていった初年度産駒たちは、芝のレースを中心に好走を続け、父をフレッシュサイアーランキングの5位へと押し上げていく。そして今年、弥生賞ディープインパクト記念(G2)をタスティエーラが優勝し、父に初めての重賞タイトルを授けた。
「厩舎にはタスティエーラの他にもサトノクラウン産駒がいましたが、どちらも体幹が良くて、乗り味も良かったです。また、その馬も気のいいタイプで順調に調教を進められていました」とはタスティエーラの育成を手掛けていた、ノーザンファーム早来の桑田裕規厩舎長は産駒の感想を語る。
「タスティエーラも跨った時から、これはいい馬だなといった感覚がありました。馴致の頃は敏感さもありましたが、それが調教では反応の良さともなっており、手綱を抑えておかないと、こちらが想像していた以上の時計が出てしまうほどでした」(桑田厩舎長)
その後の調教も順調に進み、早期移動も視野に入っていたが、春先には歩様を乱したことで、入厩時期が10月まで延びてしまう。ただ、その間に馬体は更に成長しただけでなく、動きには力強さも兼ね備えるようになっていた。
「春先よりも更に中身が入ってきたような印象がありました。新馬戦から勝ち負けのレースをしてくれると期待をしていましたが、その期待以上のレース内容を見て、重賞でもいいところがあるのではと思うようになりました」(桑田厩舎長)
2歳11月のメイクデビュー東京で、2着に3馬身半差を付ける快勝を果たしたタスティエーラは、3歳の初戦に共同通信杯(G3)へと出走する。2番人気の支持を集めるも、かかり気味のレースとなってしまったこともあるのか、先に抜け出したファントムシーフを捉え切れないまま、4着に敗れてしまう。
そのレースから数日後に、陣営は弥生賞ディープインパクト記念 (G2)の出走を表明する。そのレースは2015年に父サトノクラウンが勝利していたレースでもあった。
「共同通信杯(G3)は負けたとは言えども、重賞でも通用する内容でした。今後、クラシックを目指していくのなら、弥生賞ディープインパクト記念(G2)を使ってくれないかなとも思っていただけに、出走が決まった時は最低でも権利を取ってくれないかと期待をしていました」(桑田厩舎長)
共同通信杯(G3)から中2週でのレースとはなったが、共同通信杯(G3)を使ったことでガス抜きもできたのか、好位から進めていったタスティエーラは1000m通過が61秒0というスローペースでも、折り合いの不安も見せることはなかった。
直線では早めに抜け出すと、2着のトップナイフに1馬身差を付けての快勝。ゴール前の急坂を駆け上がってくる時のしっかりとした末脚は、2015年に優勝した父のゴール前の脚色と重なるような印象さえあった。
「今年も育成馬の中からクラシックに参戦できる馬を送り出せたのは嬉しいです。皐月賞(G1)も無事にゲートに入れれば、十分にチャンスはあると思います」(桑田厩舎長)
皐月賞(G1)は父のサトノクラウンも1番人気の支持を集めながら6着に敗れているが、桑田厩舎の育成馬にとっても、3番人気の支持を集めたイクイノックスが、勝ったジオグリフから1馬身差の2着に敗れたレースでもある。タスティエーラは父の、そして桑田厩舎長の悲願も背負って、皐月賞(G1)へと出走していく。