重賞ウィナーレポート

2023年03月04日 チューリップ賞 G2

2023年03月04日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:モズメイメイ

プロフィール

生年月日
2020年02月18日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
114,361,000円
リアルインパクト
母 (母父)
インラグジュアリー  by  Frankel(GB)
馬主
(株) キャピタル・システム
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
音無 秀孝
騎手
武 豊
  • 今年の桜花賞(G1)には重賞勝ち馬2頭を送り出す
    今年の桜花賞(G1)には重賞勝ち馬2頭を送り出す
  • 調教コースへと向かう馬道も、すっかり雪がとけた
    調教コースへと向かう馬道も、すっかり雪がとけた

 これも騎手生活37年というキャリアがなせる業なのだろうか。

 今年のシンザン記念(G3)のライトクオンタムで、デビューからの中央重賞勝利記録と、中央重賞350勝をダブルで飾った武豊騎手は、今年のチューリップ賞(G2)では、こぶし賞から手綱を取ったモズメイメイに騎乗。その時と同じように果敢に主導権を握っていくと、最後はコナコーストのゴール前強襲をハナ差凌ぎ切って優勝。ちなみに武豊騎手は先日行われた大阪杯(G1)でも、ジャックドールで逃げ切り勝ちをおさめており、「鬼に金棒」ならぬ、「逃げ馬に武豊」と言えるような強さと上手さを証明してみせた。

 「桜花賞(G1)はモズメイメイにとって大目標としてきたレースだけに、この勝利は嬉しかったです」と話すのは社台ファームの正岡稔牝馬調教主任。育成時も順調に調教が進められていたが、管理をする音無厩舎への入厩を控えた昨年の5月に疲労感が出て、移動時期は先に延ばされただけでなく、調教のペースも落とすことになってしまう。

 「その際に音無先生だけでなく、オーナーサイドからも焦らずに進めて欲しいと言っていただけたのは、とても有難かったです。幸いなことに体調が良くなってからの進捗度は著しく、以前のような調教が行えるようになってからは、少しでも早い時期の入厩と、そして万全な状態で厩舎に送り出したいという一心で仕事をしてきました」(正岡牝馬調教主任)

 その思いに応えるかのように、モズメイメイもまた11月のメイクデビュー東京を勝利。続くつわぶき賞は3着に敗れるも、武豊騎手とのコンビでハナを奪っていったこぶし賞を勝利する。

 同じ阪神芝1600mで行われたチューリップ賞(G2)は7番人気に評価を落としていたものの、好スタートを決めた武豊騎手は、ここでもモズメイメイにハナを切らせていく。

 1000m通過を59秒9と逃げ馬にとっては絶妙と言える流れを作り出していくと、ラストの3ハロンも34秒1でまとめていく。上位に入着した5頭は全て6番手以内でレースを進めていた馬であり、まさに「武豊マジック」を見せつけられたと言えそうだが、そのマジックを引き出せるほどの能力の高さをモズメイメイが持っていたのも事実である。

 「モズメイメイは騎乗スタッフとしては体重の重い自分が調教で乗っていても、坂路では勾配がきつくなる場所で、更に加速していくような走りをみせていました。スピードもさることながら、脚力の強さも自信を持って送り出せる馬だと思ったほどです」と正岡牝馬調教主任が話すように、モズメイメイはスピードに任せた逃げ馬ではなく、パワーも兼ね備えている走りができている。桜花賞(G1)だが、チューリップ賞(G2)で鞍上を務めていた武豊騎手は、同じ社台ファーム生産馬のライトクオンタムに騎乗する。

 今回が初コンビとなる和田騎手だが、モズメイメイのスピードとパワーを引き出すべく、ここでも逃げを打っていくはず。何せここまで阪神芝1600mでは2戦2勝というコース巧者。大舞台で一発が合ったとしても、全く不思議ではない。