2023年02月26日 中山記念 G2
優勝馬:ヒシイグアス
プロフィール
- 生年月日
- 2016年01月22日 07歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:15戦7勝
- 総収得賞金
- 378,390,000円
- 父
- ハーツクライ
- 母 (母父)
- ラリズ(ARG) by Bernstein(USA)
- 馬主
- 阿部 雅英
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 堀 宣行
- 騎手
- 松山 弘平
一昨年以来の勝利を、同じ中山記念(G2)制覇で果たしたヒシイグアス。その間には同年の香港C(G1)で2着、昨年の宝塚記念(G1)でも2着と、G1タイトルに手が届くところまで来ていたが、その宝塚記念(G1)の後に熱中症を発症し、一時は生死の境をさまようほどの状態にもあった。
「7月16日に牧場へと戻ってきましたが、まだ体温も高いままであり、治療を優先しながら調整を行ってきました」とはノーザンファーム空港の足立稔厩舎長。2週間程は運動もできない程にダメージが残っていたが、北海道が涼しくなってきてからは、次第に生気を取り戻していく。
「それでも立ち上げの頃は、活気に満ち溢れた頃のヒシイグアスではありませんでした。順調ならば秋のG1戦線やコース適性も証明されていた、香港C(G1)へ出走させたいとの思いも関係者の皆さんにはあったと思います。それでも、誰もが馬の回復を第一に考えたことが、この復活に繋がったのでしょう」(足立厩舎長)
その関係者の意志を感じ取ったのか、秋を迎える頃にヒシイグアスは一気に元気を取り戻していく。
「変わったなというのが接していても分かりました。その日を境にスムーズに調教も行えるようになったのですが、元気になったらなったで、この馬らしいやんちゃさも出てくるようになりました」(足立厩舎長)
12月1日には本州へと移動。その後は堀厩舎で調整をされていきながら迎えた8か月ぶりのレースが、得意とする中山コースで行われる中山記念(G2)だった。
今年の中山記念(G2)はシュネルマイスター、スタニングローズ、ダノンザキッドとG1馬3頭が名を連ねただけでなく、東西の金杯(G3)の優勝馬であるラーグルフとイルーシヴパンサーなど、重賞勝ち馬もずらりと並んだハイレベルなレースとなった。
宝塚記念(G1)より14kg増で出走してきたヒシイグアスは、道中を中団から追走すると、最後の直線では馬群の中央から力強く抜け出しをはかる。坂を上り終えてからは、もう一延びするような強いレース内容で見事に勝利。上がり34秒6もメンバー中最速となった。
「牧場には約5か月ほどいたことになりますが、ゴールの瞬間は待って良かったなという思いがありました。熱中症のダメージだけでなく、元々の体質の弱さもあっただけに、それがこの休養でいい方に行ったのかもしれません。ただ、元気になった時のやんちゃさが、過去一番と言えるほどであり、管理をする方としては大変でした(笑)」と苦笑いを浮かべる足立厩舎長。そう思うと7歳を迎えた今こそが、まさに充実期なのかもしれない。
「この調子の良さを維持できたのならば、大阪杯(G1)でもいいレースをしてくれると思います。牧場にいた頃は大変だった思い出ばかりでしたが、その借りを大阪杯(G1)で返してもらえたらいいですね」と足立厩舎長はエールを送る。阪神コースは勝利こそあげてはいないが、昨年の宝塚記念(G1)で2着と決して不得手では無い。大阪杯(G1)では古豪復活ならぬ、ここに来ての本格化を、勝利という結果で証明してほしい。