2023年02月12日 共同通信杯 G3
優勝馬:ファントムシーフ
プロフィール
- 生年月日
- 2020年02月22日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦3勝
- 総収得賞金
- 142,330,000円
- 母 (母父)
- ルパンⅡ(USA) by Medaglia d'Oro(USA)
- 馬主
- (有) ターフ・スポート
- 生産者
- 谷川牧場 (浦河)
- 調教師
- 西村 真幸
- 騎手
- C.ルメール
過去10年間だけでも3頭の皐月賞馬を送り出している共同通信杯(G3)は、C.ルメール騎手騎乗の3番人気ファントムシーフが優勝。クラシックへ向けて大きく名乗りを挙げた。
ファントムシーフの生まれ故郷は浦河町の谷川牧場。1912年(明治45年)創業と、日本でも有数の歴史を有する牧場で、その長い歴史の中で日本ダービー馬タケホープはじめ、タケフブキ、チョウカイキャロルと2頭のオークス馬、菊花賞馬のミナガワマンナなどを送り出してきた。昨年の中山大障害(JG1)を勝ったニシノデイジー、現役の快速牝馬ナムラクレアなども同牧場の生産馬だ。
競馬場で愛馬を見届けたという同牧場の谷川貴英社長は「ここで勝ったことはもちろんですが、クラシックを目指すうえで賞金を加算できたことは嬉しい」と声を弾ませ「発表された馬体重こそプラスマイナス0でしたが、パドックでは(休み明けで10キロ増だった)ホープフルS(G1)に比べると引き締まったような印象を受けました。印象的だったのは、騎乗命令がかかったとき。気合が入って、スイッチが入ったように見えました。オン、オフの切り替えが上手なところが、この馬のセールスポイント。頼もしく感じました」と述べた。
レースでは、好スタートから先行策。向こう正面ではポジションを上げて先頭を奪おうかというシーンもあったが、折り合いをつけて2番手から。最後の直線で早め先頭から逃げ込みを図るタッチウッドをゴール前でねじ伏せて先頭ゴールイン。3頭による激しい2着争いを尻目に力強くゴールを駆け抜けた。
「大型馬ですから、スタートは心配していましたが、上手に導いてくれました。道中先頭に立ったときはびっくりしましたが、育成時代から操作性に優れた賢い馬。ジョッキーの意のままのレースをしてくれたと思います。完歩の大きな馬ですから、今日のレースを見てのとおり東京競馬場は合っているのだと思います」と笑顔を広げた。
やはり気になるのは、その配合。「デインヒル3×3と、名牝ケラリ4×4という冒険的な配合馬で、強いインブリードを持つために体質的な影響を心配していたのですが、生まれたときからバランスの良い馬で、成長力を感じさせるような馬体の持ち主でした」と述べ「当歳時から夜間放牧をしていましたが、本当に良くなったと思ったのは1歳になってから。青草が伸びるような時期には、これならばと思っていました」という。
この1勝で皐月賞(G1)、そして日本ダービー(G1)の権利を手中にしたが「とにかく無事にレースを迎えてほしい。まだまだこの先も良くなってくれる馬だと思っていますが、この馬らしい、良い走りを期待したいと思います」と表情を引き締めた。