2023年01月05日 中山金杯 G3
優勝馬:ラーグルフ
プロフィール
- 生年月日
- 2019年02月25日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦5勝
- 総収得賞金
- 149,722,000円
- 父
- モーリス
- 母 (母父)
- アバンドーネ by ファルブラヴ(IRE)
- 馬主
- 村木 隆
- 生産者
- スマイルファーム (門別)
- 調教師
- 宗像 義忠
- 騎手
- 戸崎 圭太
中央競馬の、2023年シーズン開幕を告げる「第72回日刊スポーツ賞中山金杯(G3)」が1月5日、千葉県の中山競馬場で行われ、戸崎圭太騎手騎乗の1番人気ラーグルフ(牡4歳、美浦・宗像義忠厩舎)が、中団待機から外を回って追い上げ、最後の直線でもしっかり伸びて、後続の追撃をハナ差制して快勝。甲斐路S(3勝クラス)からの連勝で、重賞初制覇を記録した。勝ち時計は2分00秒2(良)で、通算成績を10戦5勝3着1回としている。
ラーグルフの生産牧場は日高町のスマイルファーム。東京都出身の中村広樹さんが、2009年に夫婦2人で立ち上げた比較的新しい牧場だ。現在は約40haの土地に繁殖牝馬が22頭。「細部にまで目を行き届かせる牧場を」と中村さん夫婦が、3人のパートと力を合わせながら強く、丈夫な馬づくりを目指している。
その歴史の中で2017年兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)着アスターソードや2019北海道2歳優駿(Jpn3)2着で、のちに北海優駿に優勝するアベニンドリームなどを送り出してきたが、中央競馬の重賞競走は今回が初勝利。その瞬間は自宅で家族とともに迎えたという。レースの前は「発表されたハンデが(重賞を勝っている同じ明け4歳馬と同じ)56kgとは、少々見込まれ過ぎではないかとも思いましたし、冬場で少し間隔が空いていたのも気になりました。心配性なんです」と笑い、「最後は(5着までハナ、アタマ、クビ、クビ差という)ハンデ戦らしいきわどい勝負になりましたが、テレビの画面を通してもゴールの瞬間に勝利を確信しました。ハンデキャッパーの方の見立て通りでもあり、また頑張ってくれた馬に感謝です。本当に嬉しかった」とレースを振り返り「1番人気に支持していただいたファンの方々の期待に応えることができてよかったです。サラブレッドの生産は、なかなか思うようにならない世界ではありますが、こうして結果を残すことができたのは育成牧場の方々、そして厩舎の方々のおかげ。この馬に携わったすべての人に感謝したい」と相好を崩している。
ラーグルフは北海道市場セレクションセール取引馬。牧場時代の印象を訪ねると「母アバンドーネにとっての初仔になります。期待した配合馬でもあり、生まれたときから馬格もあって牧場時代から評価の高い馬でした。母親は、当牧場の生産馬ではありませんが、牧場創業からお世話になっている馬主さんから縁あって譲っていただいた馬です。こうしてセレクションセールに選んでいただくような馬を生んでくれたおかげで現在のオーナーと巡り合うことができました。縁を取り持ってくれた馬が、こうして活躍してくれるのは本当に嬉しいことです」とほっとしたような表情となった。
「今回、大きなタイトルを獲ってくれたので、このあとはとにかく無事に。そして少し欲を出していえば、次のステップでも頑張って欲しい」と述べ「もちろん簡単なことではないと思っていますが、この仕事をしているので、いつかはG1競走に勝ちたいと思っています。そのためには馬がストレスを感じないように、ハッピーな気持ちで過ごせるように管理することも、必要なことではないかと思います」と白い歯を見せた。