重賞ウィナーレポート

2023年01月29日 シルクロードS G3

2023年01月29日 中京競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ナムラクレア

プロフィール

生年月日
2019年03月30日 04歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:11戦4勝
総収得賞金
524,632,000円
ミッキーアイル
母 (母父)
サンクイーンⅡ(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
奈村 睦弘
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
長谷川 浩大
騎手
浜中 俊

 ハンデ戦とはいえ、同じ距離、コースで行われる高松宮記念(G1)と関連性が高いことで知られているシルクロードS(G3)。過去10年間だけでも2016年ビッグアーサー、17年セイウンコウセイ、18年ファインニードルと、20年モズスーパーフレアの4頭が、このレースをステップに春のスプリント王決定戦に優勝している。

 2023年のシルクロードS(G3)に勝ったのは、浦河町の谷川牧場が生産した4歳牝馬のナムラクレア。中団のインを手応えよく進むと、最後の直線では逃げ込みを図ろうとするマッドクールをファストフォースとともに追いかけ、一度は外に馬体を併せてきたファストフォースに前に出られたように見えたが、ゴール前で頭差抑え込んだ。

 谷川牧場の創業は1912年(明治45年)。日本でも有数の歴史を誇る総合牧場で、日本ダービー馬タケホープ、オークス馬タケフブキ、チョウカイキャロル、菊花賞馬ミナガワマンナなどを生産している。

 このレースを見ていた谷川牧場の谷川貴英社長は「休み明けで、デビュー以来最高馬体重でしたが体は出来ていると思いました。ただ、前走のスプリンターズS(G1)から3.5kg増えた斤量は気になっていました。ゴール前でファストフォースに出られたときは、ダメかと思いましたが、そこから本当によく頑張ってくれたと思います。諦めずに馬を叱咤激励してくれた浜中騎手には感謝したいと思いますし、改めて馬の根性を見直しました」とほっとしたような顔でレースを振り返ってくれた。

 母親のサンクイーン2は奈村オーナーから依頼され、英国タタソールズ社の繁殖セールでオーナーのエージェントとともに購入した。「当牧場にいるファンディーナ(17年皐月賞(G1)1番人気)と同じファミリーになります。マキアヴェリアンなどが出るファミリーで、成功しているバゴも同じ母系です。ミッキーアイルとの配合を決めたのは奈村オーナーです。親子2代にわたって長くお世話になっているオーナーの馬で結果を出せたことは嬉しいです」と表情を緩めた。

 牧場時代のナムラクレアは「生まれた時から高い点数が与えられる馬で、2歳8月にデビュー、小倉2歳S(G3)に勝ったように、育成に入ってからも大きなケガや病気をすることなく順調にメニューをこなしてくれた馬」とのこと。それはデビューしてからも同様で、これまで11戦のキャリアの中で1度も掲示板を外したことがない。

 「無事であれば、次走は高松宮記念(G1)になると思います。相手は強くなりますが、斤量は軽くなるので馬にとってはプラス材料。1200mのG1戦はわずかなミスが命取りになりますし、勝ち切るためには運も必要かと思いますが、チャンスはあるはず。よい競馬を期待したいです」と期待している。