重賞ウィナーレポート

2023年01月15日 京成杯 G3

2023年01月15日 中山競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ソールオリエンス

プロフィール

生年月日
2020年04月04日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
575,461,000円
キタサンブラック
母 (母父)
スキア(FR)  by  Motivator(GB)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
手塚 貴久
騎手
横山 武史
  • 3歳世代は牡馬、牝馬問わず活躍馬を送り出している
    3歳世代は牡馬、牝馬問わず活躍馬を送り出している
  • 春の陽気もあってか、馬房から顔を出す2歳馬たち
    春の陽気もあってか、馬房から顔を出す2歳馬たち

 デビュー2戦目で京成杯(G3)を優勝したソールオリエンスの半兄は、富士ステークス(G2)を制したヴァンドギャルド。他のきょうだいも中央競馬でコンスタントに勝ち鞍を残しているように、母スキアの優秀さをこの重賞勝利で改めて示すことともなった。

 「ソールオリエンスはきょうだいの放牧期よりも見栄えが良く、その姿は父のキタサンブラックから影響を、色濃く受け継いだのではと捉えていました」とは社台ファームイヤリングの中村智也厩舎長。近年の社台ファーム生産馬の躍進は、生産スタッフとイヤリングスタッフの功績も大きいと言えるが、イヤリング期のソールオリエンスもまた、健康に過ごしていった。

 「放牧地では伸びやかなフットワークだけでなく、柔軟性も際立っており、そこから生み出されるバネの利いた動きは、騎乗調教でどのように映えるかと楽しみにしていました」(中村厩舎長)

 だが、好事魔多しとでもいうのか、初期馴致の直後に左後肢に軽度の骨折が判明。坂路調教を始めた時間も同期の馬たちよりは遅くなったものの、騎乗スタッフからは乗り味の良さを高く評価されるようになっていた。

 デビュー前にはPOG(ペーパーオーナーゲーム)の媒体でも、写真入りで取り上げられるなど、牧場でも期待の1頭となっていたソールオリエンスは、王道の秋デビューとばかりに、11月のメイクデビュー東京で初戦を迎える。1番人気の支持を集めると、ゴール前では2番人気に支持されていたレーベンスティールとの叩き合いをクビ差制して優勝。初重賞挑戦となった年明けの京成杯(G3)では、ここまで3戦2勝のセブンマジシャンに1番人気こそ譲ったものの、それでも単勝オッズは同じ2.7倍で並んでいた。

 

 ゲートが開くと、ソールオリエンスとセブンマジシャンはお互いをマークするかのようにレースを進めていく。3コーナー過ぎからポジションを上げていき、4コーナーでは大きく外に膨らんでしまう。ただ、その距離ロスもなんのその。直線で立て直していくと、一気に加速を始め、残り1ハロン過ぎでは先頭へと躍り出る。2馬身半差離れた2着には、同じく社台ファーム生産馬のオメガリッチマンが入り、生産馬でのワンツーフィニッシュとなった。

 「粗削りなレースとなってしまいましたが、その分、将来性を感じさせる内容だったと思います」と中村厩舎長。初戦では類まれなる勝負根性を、そして2戦目では末脚の鋭さも証明した形となったが、皐月賞(G1)と同じ条件での重賞勝利は、本番に向けてのプラス材料となったのは間違いない。

 そして父キタサンブラックは3歳世代で初の重賞馬を送り出したことにもなる。昨年の年度代表馬に輝いたイクイノックスの活躍は言うまででもないが、今年も産駒たちは、牡馬、牝馬問わずクラシック戦線を沸かしている。その中から初めてのクラシックタイトルを父に届けるのは、ソールオリエンスとなるのかもしれない。