重賞ウィナーレポート

2022年12月11日 阪神ジュベナイルフィリーズ G1

2022年12月11日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:リバティアイランド

プロフィール

生年月日
2020年02月02日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
85,432,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
ヤンキーローズ(AUS)  by  All American(AUS)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
中内田 充正
騎手
川田 将雅
  • マルシュロレーヌやレイパパレもA1厩舎の育成馬となる
    マルシュロレーヌやレイパパレもA1厩舎の育成馬となる
  • 今年のデビューを目指す2歳馬たちが鍛錬を積んでいる
    今年のデビューを目指す2歳馬たちが鍛錬を積んでいる

 2歳馬の取材でも写真入りで大きく取り上げられるなど、リバティアイランドはデビュー前から注目を集めていた。その期待に答えるかのように7月30日に行われたメイクデビュー新潟では圧倒的な1番人気の支持に応えて優勝。この時に記録した上がり3ハロン31秒4の時計はJRA史上最速タイとなった。

 「新馬戦のレースを見た時は、良かったと思いました。スピード能力の高さも証明できただけでなく、いい脚も長く使えることをレースでも証明してくれました」と話すのは、ノーザンファーム空港の佐藤信乃介厩舎長。レイパパレやマルシュロレーヌといったG1馬の育成に携わってきた佐藤厩舎長であるが、それでもリバティアイランドは、見た目や動きともに入厩時から期待の一頭だった。

 「これだけの馬を任せてもらっただけに、結果を出さなければいけないとの思いはありました。騎乗してからも背中がしなやかだとの印象を持っただけでなく、それでいながら緩すぎないところもいいと思っていました」(佐藤厩舎長)

 屋内坂路での調教を始めるようになってから、リバティアイランドの評価は更に上がっていった。

 「飛びも大きく、それでいながら回転のいい走りをしていました。坂路は直線部分も多いことがありますが、馬体を大きく伸ばして走るほどに動きが良くなっていましたし、このままスピードに乗せて行ったら、どこまで走っていくのだろうかという期待感も持たせてくれました」(佐藤厩舎長)

 その一方でリバティアイランドはメンタル面の難しさも抱えていた。

 「普段は大人しくて扱いやすい一面もありながらも、自分をしっかりと持っている馬でもありました。メンタル面も強かっただけに、場合によっては乗り役とのコンタクトが合わなくなるかもしれないと思いながら、日々、どう調教をしていったらいいのかを葛藤していました」(佐藤厩舎長)

 ただ、そうした問題点をデビューまでの管理を任されたノーザンファームしがらき、そして管理をする中内田厩舎でも共有することができていた。

 「リバティアイランドの活躍に際しては、一貫性のある管理ができていたことも大きかったと思います。ノーザンファームしがらき、そして中内田厩舎ともに、メンタル面も大事にしながら調教をしてくれましたし、その意味でも関係者の皆さんには感謝しかありません」(佐藤厩舎長)

 メイクデビューでの勝利を受けて、単勝1.4倍の指示を集めたアルテミスS(G3)であったが、先に抜け出したラヴェルを捉え切れずに2着に惜敗。ただ、ここでも末脚の確かさは再確認された。

 「人気を集めていただけに悔しかったですが、陣営がやりたかったこと、そしてジョッキーが教えたかったことが明確に表れていたので、次に挽回してくれればと思いました」(佐藤厩舎長)

 そのアルテミスS(G3)よりメンバーが強化されただけでなく、初めての右回り、そしてフルゲートで行われた阪神JF(G1)。5枠9番からの出走となったリバティアイランドは速い流れを中団から追走していくと、最後の直線では一気にスパート。あっという間に先頭に躍り出ると、そのままリードを保ったまま先頭でゴール板を駆け抜けた。

 「パドックを見ても状態の良さが明らかであり、ゲートが開くとスタートも決めてくれました。引っかかることなくいい競馬をしていた姿には、どこか安心感を覚えていました」(佐藤厩舎長)

 それはまさに、関係者の総意でメンタル面を強化された姿だった。そこに恵まれた馬体から繰り出される、スピード感溢れる走りが加わったことで、更に競走馬としての完成度は高まっていた。

 「能力を発揮できる馬にしなければとの思いを持ちながら、調教を進めてきただけにこの結果はとても嬉しいです。距離が伸びた方がいい馬だとも思っていますし、このまま活躍を続けて、ファンに喜びや楽しみを与える馬になって欲しいとも思っています」

 そう話した佐藤厩舎長は、ふと、「自分自身もリバティアイランドからは色々と勉強させてもらいました」とも話し出す。その経験はきっと、目の前の育成馬たちにも反映されているだけでなく、リバティアイランドもまた、底知れぬ能力をレースごとで証明していきながら、佐藤厩舎長や関係者、そして応援するファンに更なる喜びを与えてくれるに違いない。