2022年10月29日 スワンS G2
優勝馬:ダイアトニック
プロフィール
- 生年月日
- 2015年05月12日 07歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:25戦9勝
- 総収得賞金
- 460,434,000円
- 父
- ロードカナロア
- 母 (母父)
- トゥハーモニー by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- 有限会社シルク
- 生産者
- 酒井牧場 (浦河)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 岩田 康誠
優勝馬にはマイルチャンピオンシップ(G1)への優先出走権が与えられている「第65回MBS賞スワンS(G2)」が10月29日、阪神競馬場で行われ、好ダッシュから好位置を進んだ岩田康誠騎手騎乗の4番人気ダイアトニックが残り100mくらいで逃げ馬をとらえ1分19秒8(良)で優勝した。管理する安田隆行調教師にとっては今年のNHKマイルC(G1)(優勝馬ダノンスコーピオン)以来の重賞勝利で通算55勝目。岩田康誠騎手にとっては今年の府中牝馬S(G2)以来の重賞勝利で通算107勝目となった。
ダイアトニックは浦河町の酒井牧場生産馬。酒井牧場は1940年創業。少数精鋭をモットーに毎年の生産頭数は約10頭ほどと多くはないが、日本ダービー馬ハクショウやオークス馬チトセホープ、あるいは2冠牝馬マックスビューティや砂の女王といわれたホクトベガなど数々の活躍馬を生産し、近年もチューリップ賞(G3)に勝ったココロノアイやR-NIKKEI杯京都2歳S(G3)優勝ジャスティンロック、あるいは函館スプリントS(G3)優勝ビーナスラインなどを送り出している牧場だ。
この日、牧場テレビから一緒に働くスタッフとともに声援を送っていたという同牧場の酒井一馬社長は「休み明けだったスプリンターズS(G1)で頑張ってくれた反動みたいなものを心配していたのですが、テレビの画面から見えるパドック映像からも、とても良い状態でレースに臨むことができたと思いました。」と述べ「ゲートも上手に出てくれましたし、抜け出すタイミングなど、今年に入ってからずっと騎乗いただいている岩田騎手がこの馬の持ち味を引き出していただいたレースだと思います」と感謝の言葉をつづけた。
とはいえ、抜け出してからは「とにかく早くゴールして欲しいと、それだけでした。後ろから迫ってくる馬もいましたし、先頭でゴールに飛び込むのを確認するまではヒヤヒヤでしたが、おかげでスタッフと喜びを共有することができました」と白い歯を見せた。
改めて牧場時代のことを伺うと「3代母のアルパインスウイフトは、祖母にコスマー(サンデーサイレンスの父ヘイローや、輸入種牡馬ファーザーズイメージの母)がいる馬で、父が大きな期待とともに輸入した牝馬でした。そこからこのような馬を送り出せたことが嬉しい」と振り返り、生まれたときは「バランスが良く、線のきれいな馬だった」という。5月12日生まれと、どちらかといえば遅生まれだが北海道市場セレクションセールに選ばれ、ノーザンファームによって3,240万円(税込)で落札されている。
「自分なりに自信があった馬ですが、選んでいただいたので結果を残せて良かったです。セール当日、たくさんの方が見に来てくれたことを覚えています。安田先生、そして育成いただいたノーザンファームのおかげです。4歳で勝ったスワンS(G2)を7歳まで勝てるとは思っていなかったです。生産者冥利に尽きると思いますし、今の関係者の方々に感謝したい」と幾度も感謝の言葉を重ねて優勝の喜びを表現してくれた。