2022年10月18日 金沢シンデレラC(中央認定)(GDJ)
優勝馬:ショウガタップリ
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月27日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦6勝
- 総収得賞金
- 39,772,000円
- 母 (母父)
- ハートフルビコー by ゼンノメイジン(USA)
- 馬主
- 芳賀 克也
- 生産者
- 斉藤 政志 (荻伏)
- 調教師
- 高橋 俊之
- 騎手
- 矢野 貴之
『グランダム・ジャパン2022』2歳シーズンの第2戦「金沢シンデレラカップ(金沢)」は、1番人気に応えてショウガタップリが快勝。道中は中団を余裕たっぷりに追走し、3~4コーナーで徐々に進出。直線入口で先頭に並びかけ、逃げ粘るキモンアップルを振り切って先頭ゴールイン。これでデビューから破竹の6連勝、前走の金沢プリンセスカップにつづく重賞連勝をおさめた。
ショウガタップリの生まれ故郷は、浦河町瑞穂の斉藤政志牧場。1997年の東京ダービー馬サプライズパワーを生産した牧場だ。同馬は1999年のかしわ記念(G3)に優勝して帝王賞(G1)でもメイセイオペラの2着、翌年の日本テレビ盃(G3)も制するなど南関東競馬で大活躍。20年以上経った今でも、同牧場の代表生産馬として名を馳せている。「ショウガタップリの母ハートフルビコーもサプライズパワーと同じオーナーの所有馬で、その縁があってうちの牧場で繁殖生活を送っていたんです。そういう意味では、ショウガタップリの活躍もサプライズパワーのおかげと言えますね」と笑顔をみせる場主の斉藤政志さん。
その母ハートフルビコーは、ショウガタップリを産んだ数時間後に残念ながら命を落としてしまった。「繁殖入りしてからほぼ毎年出産してくれて、とても仔出しの良い母馬でした。最後は出産した直後の死亡だったのですぐに乳母を探したのですが、なかなか見つからずに乳母が来るまで1週間ほどかかってしまったんです。その間は、ミルクを作って数時間おきに哺乳瓶で与えていました」と、ショウガタップリが生まれた当時のことを話してくれた。
ハートフルビコーはショウガタップリ以前にも、スプリングマン(2018年クラウンカップ)、ホールドユアハンド(2019年クラウンカップ)と2頭の重賞馬を送り出している。そしてホールドユアハンドとショウガタップリの父は同じエスポワールシチー。全兄妹という関係だ。「うちの牧場は昔から優駿スタリオンステーションで種付けすることが多く、その中でも地方のダートで活躍が期待できそうな種牡馬を好んで配合してきました。エスポワールシチーを再度つけたのは、兄のホールドユアハンドが走ったからという理由もあります」と交配について説明。エスポワールシチーは2022年度(11月20日現在)、地方ダートのサイアーランキングで収得賞金トップに立っている。ショウガタップリの活躍も、それに一役買っていると言って良いだろう。
現在、斉藤政志牧場では、ショウガタップリの姉ハートフルモトヒメ(父フサイチリシャール)が繁殖牝馬として里帰りし、その優秀な血をつないでいる。今年は父ブルドッグボスの牝馬を出産。すでに離乳を終え、同期の仲間たちと元気に放牧地を駆けまわっている。「ハートフルビコーも気の強いところのある繁殖牝馬だったのですが、ハートフルモトヒメも負けじと勝気な馬ですね。多頭数で放牧するとけんかが絶えないので、2頭ずつ放牧地を分けているんです」と苦笑いを浮かべる。
金沢で無敵を誇るショウガタップリの次走がどのレースになるのか、グランダム・ジャパン2歳女王の行方を占う意味でも気になるところ。「ローレル賞(川崎)の出走を取り消したので心配していたのですが、とにかく無事に競走生活を送ってくれればそれで満足です。夫婦2人でやっている牧場なのでなかなか現地へは行けませんが、この浦河の地から応援しています」とエールを送る斉藤さん。馬名の由来は〝賞がたっぷり〟。その名のとおり、多くのタイトルを獲得する馬へとさらに成長していってほしい。