重賞ウィナーレポート

2022年06月12日 函館スプリントS G3

2022年06月12日 函館競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ナムラクレア

プロフィール

生年月日
2019年03月30日 03歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
476,852,000円
ミッキーアイル
母 (母父)
サンクイーンⅡ(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
奈村 睦弘
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
長谷川 浩大
騎手
浜中 俊

 サマースプリントシリーズの開幕戦「第29回函館スプリントS(G3)」は6月12日、函館競馬場で行われ、浦河町の谷川牧場生産で1番人気ナムラクレアが、好スタートから行きたい馬を先に行かせての3番手追走から、残り200m地点で抜け出すとあっという間に後続との差を広げて2馬身半差で快勝。昨年の小倉2歳S(G3)に続く重賞2勝目で、通算成績を8戦3勝2着2回3着2回とした。手綱を取った浜中騎手は5月の目黒記念(G2)に続く重賞勝利で通算49勝目。長谷川調教師にとっては、本馬による昨年の小倉2歳S(G3)以来の通算2勝目となった。

 ナムラクレアの生まれ故郷である谷川牧場は1913年(大正2年)創業という歴史ある牧場だ。1973年の日本ダービー、菊花賞の2冠馬タケホープや、72年オークス馬タケフブキほか81年の菊花賞馬ミナガワマンナ、94年オークス馬チョウカイキャロルなどを送り出してきた。生産馬の重賞勝利は昨年の本馬による昨年の小倉2歳S(G3)以来で、今年の初勝利。

 この開催から、当日入場券発売が解禁され、函館競馬場に足を運んだ7329人のファンとともに愛馬の圧倒的なパフォーマンスを確認し、ほっと胸を撫でおろしたのはオーナー代理としてレースを観戦したのは同牧場の谷川寿郎専務だ。

 「スタンドはたくさんのファンの方で埋められていましたが、みなさんルールを守って拍手で応援してくれてうれしかったです。やはり、人がいないスタンドというのは寂しいものですから」と感想を述べ、「これまでの戦績から人気にしていただいたのはとても嬉しかったのですが、古馬相手のレースは初めてでしたし、このレースは1番人気馬の成績があまり良くなかったので、レース前は期待よりも不安の方が大きかったです」と当日の思いを話してくれた。それでも「スタートも上手を出てくれましたし、道中の手応えもよかったので、恥ずかしい結果にはならないだろうと思いましたが、想像を超えた強さでした。うれしかったです」と笑顔を広げた。

 牧場時代のナムラクレアは「柔らかい筋肉の持ち主で、当時からスピード感あふれる動きをしていましたし、育成スタッフの間でも評価の高い馬でした。競走馬ですから、多少のことはありましたが、おおむね順調に送り出せた馬でした」。

 2歳8月にデビューし、その初戦は3着に敗れたものの未勝利の身でフェニックス賞へと向かい、逃げたテイエムスパーダ(のちのCBC賞(G3)優勝馬)を破って初勝利。小倉2歳S (G3)で重賞ウイナーの仲間入りを果たすと、フィリーズレビュー(G2)2着のち桜花賞(G1)でも3着と高い能力を示している。

 「しっかりと馬を仕上げてくれた長谷川厩舎の方々への感謝はもちろんですが、50キロで騎乗いただいた浜中騎手にも頭が下がる思いです。秋は大きなレースが目標と聞いていますので、楽しみが広がります」と期待に胸を膨らませている。