2022年06月07日 東海ダービー(DS2022)
優勝馬:タニノタビト
プロフィール
- 生年月日
- 2019年05月08日 3歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:17戦5勝
- 総収得賞金
- 27,498,000円
- 父
- オルフェーヴル
- 母 (母父)
- テーブルスピーチ by フレンチデピュティ(USA)
- 馬主
- 西村健
- 生産者
- 西村牧場 (静内)
- 調教師
- 角田 輝也
- 騎手
- 岡部誠
『ダービーシリーズ2022』の第2戦は、名古屋競馬場が弥富に移転されて初めて行われる「東海ダービー」。愛知所属馬9頭、笠松所属馬3頭の合計12頭による戦いとなったが、1番人気に推されたタニノタビト(愛知)が2番人気イイネイイネイイネ(笠松)の猛追をアタマ差しのぎ、5月の駿蹄賞につづいて東海二冠を達成した。
タニノタビトの生まれ故郷は、新ひだか町静内の西村牧場。2009年のアネモネSを制して桜花賞(Jpn1)やオークス(Jpn1)へも駒を進めたツーデイズノーチスや、2013年のJBCレディスクラシック(Jpn1)で3着したキモンレッドなどを生産。現役馬では、キモンレッドの2番仔キモンルビー(牝5歳、父コパノリチャード)が12連勝で今年の船橋記念を制するなど、南関東の短距離路線で大活躍を見せている。
「タニノタビトは昨年JRAデビューしたのですが、1戦したのみでサラブレッドオークションに出品され、今のオーナーと巡り会って名古屋で競馬をすることになったんです。それで二冠を獲るのですから、わからないものですね。“ダービー”と名のつくレースを生産馬が勝つのはやはり特別で、とてもうれしかったです」と同牧場の代表・西村和夫さんは笑顔を見せる。
タニノタビトの母テーブルスピーチは、数々の名馬を送り出してきた名門・カントリー牧場の生産馬。同牧場が競走馬の生産事業から撤退する際、西村牧場で3頭の繁殖牝馬を受け入れることになり、そのうちの1頭が現役を引退したばかりのテーブルスピーチだった。その牝系をさかのぼると現代日本競馬の基礎を築いた輸入繁殖牝馬の1頭・フロリースカップにたどり着き、タニノタビトの3代母にはウオッカを産んだタニノシスターの名前もある。「ここ静内の地で生まれたダービー馬ウオッカと同じ血が流れている牝系ですから、貴重ですよね。今年、父コパノリッキーの牝馬が生まれましたので、この血を後世へつないでいくためにも大切に育てていきたいと思っています」と、生まれてまだ3か月ほどしか経っていない半妹を紹介してくれた。
タニノタビトが東海ダービーを制した時の馬体重は516kg。生まれた当時から大柄だったのかと思いきや、「生まれた時は、それほど大きくなかったんですよ。成長過程で、どんどん大きくなっていきました」と牧場で過ごした時期を振り返る。「3歳になった今も気性的に幼い部分があり、まだ成長途中のような感じもしますから、先々が楽しみですね」とさらなる飛躍に期待を寄せる。
「2歳時はなかなか結果が伴いませんでしたが、角田輝也調教師に辛抱強く育てていただいた結果だと思っています。その恩返しをするためにも、まずは東海三冠馬となり、将来は交流重賞でも活躍して名古屋競馬を代表するような馬になってほしいですね。もしジャパンダートダービー(Jpn1)に出るようなら、妻に応援に行ってもらおうと思っています」と夢を膨らませる西村さん。長い歴史の中で、これまでに東海三冠を達成した馬は4頭しかいない。名古屋競馬場が移転した記念すべき年に、5頭目の三冠馬誕生となるか。8月25日(木)に笠松競馬場で行われる岐阜金賞に注目したい。