重賞ウィナーレポート

2022年05月28日 葵S G3

2022年05月28日 中京競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ウインマーベル

プロフィール

生年月日
2019年05月08日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:11戦4勝
総収得賞金
322,405,000円
アイルハヴアナザー(USA)
母 (母父)
コスモマーベラス  by  フジキセキ
馬主
(株) ウイン
生産者
コスモヴューファーム (新冠)
調教師
深山 雅史
騎手
松山 弘平

 今年からG3格付けとなった「第5回葵S(G3)」が5月28日、愛知県の中京競馬場で行われ、好位勢を見るような位置から競馬を進めた新冠町コスモヴューファーム生産で1番人気のウインマーベルが直線半ばで抜け出して、2着以下に2馬身半差の快勝。出走メンバー唯一の3勝馬が格の違いを見せつけた。

 松山弘平騎手は前週の平安S(G3)に続いて2週連続重賞勝利。2019年開業の深山雅史調教師は重賞初勝利。生産者コスモヴューファームにとっては昨年のオールカマー(G2)(ウインマリリン)以来の重賞勝利で今年の重賞初勝利となった。タイムは1分08秒2(良)。

 馬主ウインの岡田義広代表は「大きな不利があったファルコンS(G3)は参考外だと思っていましたが、前走でリステッドレースを勝っていますし、レース前は負けられないというくらいの思いでした」とほっとしたように話してくれた。

 母のコスモマーベラスは、名種牡馬ミルジョージなどを発掘した中村和夫さんの生産馬。2004年の「ひだかトレーニングセール」の公開調教において、1番時計をマークした馬で現役時代は33戦7勝2着6回3着2回。重賞格上げ前のターコイズSを2勝するなど長くトップクラスで活躍した。

 「期待の大きな繁殖牝馬でしたし、何とか成功させたいという種牡馬に配合し続けていたのですが、初仔から8頭連続で牝馬を出産しています。こればかりは仕方ないこととはいえ、そこは誤算でした」。それでも、本馬の全姉ウインジェルベーラは2歳夏の函館競馬でデビュー勝ち。函館2歳S(G3)でも勝ち馬と同タイム2着と素質の高さを見せ、もう1頭の全姉ウインアイルビータも新潟競馬場の直線1000mで2勝。スピードのあるところを見せている。

 「相性の良い配合ですし、この馬自身も牧場スタッフの間では評価の高かった馬ですが、正直言えば半信半疑。ある程度はやってくれるだろうという手応えをもって送り出しましたが、3歳5月に芝1200mの重賞を勝つイメージはなかったです」と苦笑い。

 「2歳夏に芝の新馬戦を使って3戦連続3着。悪い成績ではなかったと思うのですが、何とか良いところを引き出せないかとダートも使ってみたりしましたが、きっかけになったのはブリンカーです。アイルハヴアナザーの仔の中にはブリンカー効果が大きい馬がいるというので装着してみたところ、そこから一気に結果を残してくれるようになりました」と飛躍のきっかけとなるエピソードを話してくれた。

 「まだ適正距離も含めて、この馬の本質をつかみかねているところもありますので、適した条件を模索しながらチャレンジさせていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします」と力強く締めくくってくれた。