2022年05月12日 のじぎく賞(GDJ)
優勝馬:ニネンビーグミ
プロフィール
- 生年月日
- 2019年04月01日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦4勝
- 総収得賞金
- 29,180,000円
- 馬主
- 藤本 彰
- 生産者
- 有限会社グッドラック・ファーム (門別)
- 調教師
- 松平 幸秀
- 騎手
- 田中 学
『グランダム・ジャパン2022』3歳シーズンの第6戦「のじぎく賞(園田)」は、地元・兵庫のニネンビーグミが快勝。南関東や金沢からの遠征馬を退け、1月の兵庫クイーンセレクション(姫路)に次いで重賞2勝目を飾った。
ニネンビーグミの生まれ故郷は、日高町富川に牧場を構える(有)グッドラック・ファーム。2012年のジャパンダートダービー(Jpn1)、そして2013年の川崎記念(Jpn1)を制したハタノヴァンクールを生産・所有し、かつてはオーナーブリーダーとしてその名を馳せた牧場だ。近年はマーケットブリーダーに切り替え、生産馬のほとんどをせりに上場。ニネンビーグミもその1頭で、2020年の北海道市場サマーセールにて440万円(税込)で取引されている。
「ニネンビーグミは生まれた時から小柄で、1歳になってもなかなか大きくならなかったんです。それでもせりの下見で現在のオーナーに気に入っていただき、無事に落札されて競走馬としてデビューすることができました」と話すのは、(有)グッドラック・ファームの常務取締役・畑大介さん。5年ほど前、同牧場の創業者である叔父の畑末廣郎会長から声がかかり、まったくの別業種から競走馬生産の世界へ飛び込んだという。「1年間はお隣の新生ファームさんで修行させていただいたのですが、その時に『逆に何も知らないのが強みだから』と言われ、わからないことは何でも人に聞いて教わりながら、ひとつひとつ覚えていきました。生き物相手なので思い通りにいかないことも多いですが、こうして関わった馬が活躍し、オーナーや調教師さんが喜ぶ姿を見られるこの仕事は本当にやりがいを感じています」と話す。
ニネンビーグミはホッコータルマエの2世代目産駒となるが、この配合の背景には裏話があった。「うちの生産・所有馬で種牡馬となったハタノヴァンクールがホッコータルマエと同い年で、ライバルとして何度も戦っているんですよ。しかも同じキングカメハメハ産駒ですから、『どうせならハタノヴァンクールを交配した方が良いのでは』という意見もあったんです。ただ、母ハタノメドゥーサの1番仔ハタノキセキ(牡、父カネヒキリ)が兵庫競馬で好成績を残していたので、『この牝系からは活躍馬が出る可能性が高い』と判断し、より確実性の高いホッコータルマエを交配することになりました」と、その経緯を明かしてくれた。「ハタノヴァンクールの仔も、スティールグレイス(牝2歳、北海道・角川厩舎)が先日の門別・フレッシュチャレンジ競走で新馬勝ちをおさめるなど、少ない産駒数ながら頑張ってくれています」と笑顔を見せる畑さん。今年は種付けを行わなかったハタノヴァンクールだが、現在も現役種牡馬として同牧場で元気に過ごしており、産駒の活躍によってはまたニーズが復活することだろう。
母ハタノメドゥーサは2010年にJRAでデビューしたが、2歳時に2戦したのみで繁殖入りしている。「もともと小柄な馬なのですが、神経質なところがあって輸送の度に体重を減らしてしまうので、早々に牧場へ戻して繁殖入りさせたようです。昨年は不受胎でしたが、今年は父モーニンの牡馬を無事に出産しました」と放牧地で寄り添う母仔を紹介。同じ放牧地にはニネンビーグミの半姉ハタノサンドリヨン(2017年のローレル賞2着馬)とその仔(父ハタノヴァンクール)もいて、ハタノメドゥーサは現在、娘と孫といっしょに過ごしていることになる。
「ニネンビーグミは今でも410kg台と小柄ですが、牡馬相手の菊水賞でもハナを切ったように、スピードに長けた馬だと思っています。うちの生産馬としては2018年に笠松の重賞を2勝したハタノリヴィール以来の重賞馬ですし、ますます活躍してくれることを願っています」とエールを送る畑さん。ハタノヴァンクールやテイエムイナズマが大活躍していた時代から早10年。ニネンビーグミの躍進が、グッドラック・ファーム復活の狼煙となるかもしれない。