2022年05月07日 京都新聞杯 G2
優勝馬:アスクワイルドモア
プロフィール
- 生年月日
- 2019年02月23日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦2勝
- 総収得賞金
- 82,902,000円
- 馬主
- 廣崎利洋HD (株)
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 藤原 英昭
- 騎手
- 岩田 望来
新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮する形で、2年連続でオンラインオークションシステムでの開催となった千葉サラブレッドセール。昨年に引き続き、本年度も売却率100%という活発な取引が行われた。
その千葉サラブレッドセールの活況に、一役も二役も買ったといえそうなのが京都新聞杯(G2)をレコードで制したアスクワイルドモアと言える。
昨年の同セールでは6,941万円(税込み)で落札されたアスクワイルドモアは、即戦力であることを証明するかのように、7月のメイクデビュー函館でデビュー。3戦目の未勝利戦で勝ち上がると、初重賞挑戦となった札幌2歳S(G3)では、後の皐月賞馬となるジオグリフの2着となった。
「昨年の千葉サラブレッドセールでは、廣崎オーナー(落札者名は廣崎利洋HD(株))に落札していただきました。オンラインオークションで開催されたメリットを最大限に生かすべく、セール落札後にすぐ函館競馬場に入厩することができました」と当時を振り返るのは、社台ファームの長浜卓也氏。当時は背腰に緩さが残っており、ダッシュ力に磨きをかけたいと思っていた時に修正をしてくれたのが、藤原英昭厩舎の田中博司調教助手だった。
「田中さんには函館競馬場で上手く調整していただき、北海道シリーズでは4戦競馬を使うこともできました」(長浜氏)
そして、長浜氏はデビューからきさらぎ賞(G3)まで手綱を取った、武豊騎手への感謝も語る。「スタートから道中の折り合い、ゴールに向けてしっかりと脚を使えるような走りといった、実戦における礼儀作法をレジェンドに叩き込んでもらえたのはすごく大きな財産になったと思います。また、札幌2歳S(G3)ではジオグリフと相まみえて、揉んでもらえたのも貴重な経験となりました」(長浜氏)
田中調教助手の管理もあって、背腰もパンとしてきたアスクワイルドモアは、レースごとに走りも変わってきた。
「どちらかというと、道中は後ろ寄りのポジションで、終いになってから詰めてくるパターンでしたが『ここ最近は攻め馬でも切れが出てきた』と担当の田中助手から聞いていました」(長浜氏)
その切れが証明されたのが京都新聞杯(G2)と言える。最内でじっくりと構えていくと、最後の直線では上がり35秒2の末脚を使い、ゴール前では、先に抜け出したヴェローナシチーを競り落としての勝利。父キズナも2013年の京都新聞杯(G2)を優勝しており、父仔制覇ともなった。
そして社台ファーム生産馬は、日本ダービー(G1)出走を許された18頭の中に、3頭(オニャンコポン、アスクビクターモア、アスクワイルドモア)が出走を予定しているが、アスクワイルドモアとアスクビクターモアは、廣崎利洋HD(株)の所有馬となる。
「廣崎オーナーには長くお世話になっていますので、今年、ダービー(G1)に2頭の勝負服を並べることができるのは、本当に嬉しいですし、とても誇らしく感じています」と長浜氏。先週は社台ファーム生産馬のスターズオンアースがオークス(G1)を制して牝馬二冠を達成。その余韻の残る日本ダービー(G1)で、アスクワイルドモアが父仔制覇を果たすというドラマは、決して出来すぎでは無い気がしてくる。