重賞ウィナーレポート

2022年04月23日 福島牝馬S G3

2022年04月23日 福島競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アナザーリリック

プロフィール

生年月日
2018年03月17日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
90,559,000円
リオンディーズ
母 (母父)
アンソロジー  by  サクラバクシンオー
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
林 徹
騎手
津村 明秀
  • 馬たちにとってこの時期は、食欲の春なのかもしれない
    馬たちにとってこの時期は、食欲の春なのかもしれない
  • 重賞の上位独占も目立ってきた
    重賞の上位独占も目立ってきた

 リオンディーズの初年度産駒となるアナザーリリックが、福島牝馬S(G3)で初重賞制覇。昨年はジャスティンロックが京都2歳S(G3)を制して、父に初重賞制覇を授け、そして、今年2月テーオーロイヤルが芝3400mのダイヤモンドS(G3)を優勝。世代を問わないどころか、ダートや障害でもオープンクラスの活躍馬を送り出すなど、まさにオールマイティな産駒成績を残している。育成を手掛けたノーザンファーム早来の岡真治厩舎長に、その頃の印象について話を聞いたところ、

 「距離が合った方がいい馬だと思っていました。ただ、トモに緩さが残っていただけでなく、調教を進めるとトモだけでなく腰にも疲れが出ていたので、本当に良くなるのはまだ先になると思っていました」と話す。デビューは2歳の8月と早く、そのメイクデビューを勝利すると、年明けの1勝クラスの菜の花賞で2着となり、続くアネモネSを優勝。だが、充分なレース間隔を取っていたように、体質面の強化には時間がかかっていた。

 「レースを使ったあとの反動も出ていたようですが、その度に厩舎やノーザンファーム天栄でも立て直してもらっていましたし、向こうからもだんだん良くなってきているとの報告を受けていました」(岡厩舎長)

 初重賞挑戦となったNKHマイルC(G1)では7着に敗れるも、佐渡Sでは後方から上がり33秒2の末脚を使っての鮮やかな勝利。その後は秋華賞(G1)、愛知杯(G3)と重賞に挑戦を続けていき、4度目の重賞挑戦となる福島牝馬S(G3)へと向かっていく。

 実はこの福島牝馬S(G3)の前、ノーザンファーム天栄で管理されていたアナザーリリックの元を岡厩舎長は訪ねていた。

 「ちょうど研修期間とかさなったこともありますが、以前に見た時よりも毛艶が良くなっていただけでなく、馬体にも張りが出ていたように、状態の良さは歴然としていました。これならばそう遠くない時期に重賞も勝てるのではと思っていましたが、その後すぐに結果を出してくれました」(岡厩舎長)

 だが、「レースはひやひやしながら見ていました」と苦笑いを浮かべる岡厩舎長。スタートで立ち遅れたアナザーリリックは、後方2番手からの追走。小回りの福島コースでは絶望的な位置取りかと思いきや、ポジションを上げていっただけでなく、ハイペースも味方する形で、最後の直線では外へと進路を向ける。そこは馬場もそれほど荒れてはいない、まさにビクトリーロードだった。前で粘り込みを図るクリノプレミアムを、最後はクビ差交わしての勝利。デビュー8戦目にして重賞馬へと上り詰めた。

 「まだまだ馬は良くなっていくと思いますし、その中で大きなタイトルも勝ち取ってくれると思います」と岡厩舎長。次走はまだ未定であるが、その時は更に強いアナザーリリックの姿が見られそうだ。