重賞ウィナーレポート

2022年02月20日 小倉大賞典 G3

2022年02月20日 小倉競馬場 晴 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アリーヴォ

プロフィール

生年月日
2018年05月17日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦5勝
総収得賞金
147,113,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
エスメラルディーナ(USA)  by  Harlan's Holiday(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
杉山 晴紀
騎手
横山 和生
  • 厩舎の脇には除雪した雪が高く積まれていた
    厩舎の脇には除雪した雪が高く積まれていた
  • 母馬から草の食べ方を学ぶ仔馬
    母馬から草の食べ方を学ぶ仔馬

 アリーヴォの母エスメラルディーナは、ダート重賞の関東オークス(Jpn2)とトゥクソムCの勝ち馬ながらも、ジュニアCを優勝など、芝でも好走歴がある。ただ、アリーヴォの馬体を始めて見た、ノーザンファーム空港の佐々木淳史厩舎長は、芝向きの馬だと感じ取っていた。

 「5月産まれで成長も遅かったせいか、薄手の馬体をしていたこともありますが、動かしてみると手先には軽さも感じられました」(佐々木厩舎長)

 ただ非力な面は否めず、佐々木厩舎長は育成主任や場長と相談した上で、他の馬より時間をかけながら調教を行っていくことを決意する。

 「じっくりと競走馬としての土台作りを行うつもりで調教を行いました。そのうち、フットワークにも軽さが出てくるようにもなりましたが、それでも良化するのはまだ先になるとも思っていました」(佐々木厩舎長)

 2歳の6月には入厩が叶ったものの、それでもデビューは10月となったあたりにも、厩舎サイドやノーザンファームしがらきで慎重に調教を進めてきたことがうかがえる。

 そのデビュー戦こそ11着に敗れるも、3歳初戦となる未勝利戦で初勝利をあげ、その後は複勝圏を外さない安定したレース内容で、2勝クラスの柳川特別を優勝。ついには菊花賞(G1)に出走も果たす。

 「レース経験を重ねるごとに、力を付けているような印象を受けていました。これも杉山厩舎の皆さんや、ノーザンファームしがらきのスタッフたちが、成長に合わせた管理をしてくれたからでしょう」(佐々木厩舎長)

 その菊花賞(G1)こそ7着に敗れるも、3勝クラスの壇之浦Sを勝利して、待望のオープン入り。そして小倉大賞典(G3)出走ともなったが、佐々木厩舎長は壇之浦Sを勝利した時から、小倉大賞典(G3)への期待が膨らんできたという。

 「その時点で4勝全てが小倉でしたが、非力な分も残っていただけに、小倉のようなフラットなコースが合っていたのでしょう。そこに着実に力を付けてきたことが、勝利と言う結果に繋がったのだと思います」(佐々木厩舎長)

 この小倉大賞典(G3)で1番人気の支持を集めたアリーヴォは、大外枠から馬群の外に進路を向けていき、最後の直線では馬場の荒れていない芝の上で一気に末脚を伸ばしていく。結果は2着のランブリングアレーに1馬身3/4差を付ける快勝。これで小倉の芝コースは5戦5勝となった。

 まさに現在の競馬界を代表する小倉巧者となったアリーヴォであるが、佐々木厩舎長は今のアリーヴォならば、小倉以外のコースでも好走は可能だと期待する。

 「今回も馬場のいいところを走れたとはいっても、稍重で力のいる馬場でしたし、そこでもスピードが落ちない走りを見せてくれました。成長力だけでなく、パワーも付いてきているだけに次走も楽しみになります」(佐々木厩舎長)

 その次走となった大阪杯(G1)では、強豪相手に差の無い3着に入着。近々、小倉以外の競馬場でも勝利をあげるアリーヴォの姿が見られそうだ。