重賞ウィナーレポート

2022年02月13日 共同通信杯 G3

2022年02月13日 東京競馬場 雨 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンベルーガ

プロフィール

生年月日
2019年02月07日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
234,863,000円
ハーツクライ
母 (母父)
コーステッド(USA)  by  Tizway(USA)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
松山 弘平
  • 今年の2歳馬にもクラシック候補生が揃う
    今年の2歳馬にもクラシック候補生が揃う
  • 朝焼けの中を調教コースまで向かう2歳馬たち
    朝焼けの中を調教コースまで向かう2歳馬たち

 2戦2勝の共同通信杯(G3)優勝馬は2015年のリアルスティール以来、7年ぶりで史上2頭目の快挙。その後のリアルスティールの活躍にも証明されているように、クラシック登竜門とも言われる共同通信杯(G3)を快勝した、ダノンベルーガへの期待は膨らむばかりなのだが、育成を手掛けたノーザンファーム空港の伊藤隆行厩舎長は、「本格的な乗り出しを始めたのは2歳を迎えてからとなっただけに、その後の成長や、今日の活躍には驚かされています」と2019年のセレクトセール当歳で1億7,280万円(税込)の評価を受けた、エリートホースの印象とはまた違った、牧場時代を振り返る。

 ただ、乗り出されてからは順調に調教も進んだだけでなく、暖かくなるにつれて馬体に幅が出てからは、ストライドの大きな動きも見せていくようになっていく。

 「背中も良く、気性面でもピリッとした面を感じさせるようにもなっていきました。ダノンベルーガ自体のウイークポイントも分かっていましたし、堀先生や場長とも相談しながら、十分なケアを行いながら調教を進めていく指針ができあがりました」(伊藤厩舎長)

 まさに「馬本位」での調教が行われたダノンベルーガであるが、夏に牧場を離れると、その後はデビューまでしっかりと乗り込みが続けられていき、11月のメイクデビュー東京でデビュー。単勝1.7倍と言う圧倒的な支持に答えるかのような快勝をあげる。

 「この時期の2歳戦でデビューできただけでも驚きでした。レースの前の追切もしっかりと動けていましたし、牧場にいた頃よりも更にストライドが大きくなったような走りを見せていたので、改めてハーツクライ産駒の走るタイプに近づいているのかなとの印象も受けました」(伊藤厩舎長)

 そのメイクデビューでは、人気に応える見事な勝利。その後、十分な調整期間を挟んで出走した共同通信杯(G3)では、更に強いダノンベルーガの姿を見せつける。昨年の2歳G1を沸かせた馬も揃うなど、レベルの高いレースとなった中、中団からレースを進めたダノンベルーガは、最後の直線で大外に進路を取り、そこから大きなストライドを使いながら、稍重の馬場も気にすることなくスピードに乗っていく。ゴール前では2着のジオクリフには1馬身半差を付ける完勝。改めてこの世代の牡馬クラシック候補に名乗りをあげた。

 「本当に凄い馬だなあと思いました。これだけの脚を使えながらも折り合いの不安は無く、入厩の直前には若いスタッフもダノンベルーガの背中を感じ取っていたようです」(伊藤厩舎長)

 僅か2戦のレースだけで、ポテンシャルの高さを証明しただけでなく、これで東京コースも2戦2勝。皐月賞(G1)の先の日本ダービー(G1)までも見渡せる勝利を収めたが、伊藤厩舎長は無事で次のレースに向かうことを願っている。

 「この馬に関しては、堀先生が最もウイークポイントもストロングポイントも掴んでくださっていますし、あとは馬の成長を加味しながら、いい状態でレースに臨ませてくれると思うので、僕は応援するだけです」と笑顔を見せる伊藤厩舎長。3戦で皐月賞(G1)制覇となれば、史上初の快挙。だが、規格外のポテンシャルと、奇跡と言えるようなここまでの歩みを示してきたダノンベルーガなら、それもあっさりと叶えてしまう可能性はある。