2022年01月10日 フェアリーS G3
優勝馬:ライラック
プロフィール
- 生年月日
- 2019年04月28日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 141,375,000円
- 馬主
- 芹澤 精一
- 生産者
- 杵臼牧場 (浦河)
- 調教師
- 相沢 郁
- 騎手
- M.デムーロ
3歳牝馬に春の訪れを予感させる「第38回フェアリーS(G3)」が1月10日、中山競馬場で行われ、浦河町の杵臼牧場生産でM.デムーロ騎手騎乗のライラックが、スタートでミスはあったものの、向こう正面からのロングスパートで中団まで追い上げ、最後は大外から豪快に末脚を伸ばして先頭でゴールを駆け抜けた。
杵臼牧場は1955年創業。現在、公職を務める父の鎌田信一氏とともに共同代表を務める3代目場主の正信さんの祖父にあたる信氏(故人)によって牧場の歴史がスタートしている。日本競馬史に残る名馬テイエムオペラオーほか、2000年の京王杯3歳S(G2)(現2歳S)に勝ったテイエムサウスポーやライラックの半兄で19年札幌2歳S(G3)に勝ったブラックホールなどを送り出している生産牧場で、地元の軽種馬生産振興会青年部が行う当歳馬品評会などにも積極的に参加。周囲からの信頼も厚い牧場だ。
正信氏は「馬づくりに近道はないと思っていますの、基本的なことを手を抜かずにやり続ける。そして、馬としっかりとコミュニケーションを取る」ことをモットーに強い馬づくりに励んでいる。
年が明けた生産地は出産、そして種付けのシーズン。コロナの感染拡大防止という意味も含め牧場テレビでライラックを応援していたという鎌田正信社長は「前走(R-NIKKEI杯京都2歳S(G3))は関西遠征で大きく体重を減らしたうえに、なかなかゲートにも入ってくれなかったので消耗が激しかったと聞きました。今回もスタートが悪く位置取りは悪くなってしまいましたが、外を回りながら経済コースを通った馬を相手にしないのですから、驚きました。勝ったこともそうですが、その勝ち方にスタッフもみんなびっくりしていました」と、そのレースぶりに舌を巻いた。
重賞勝ち馬の半妹で、同じステイゴールド系。期待の血統馬で、やや小柄ながらもその期待どおりに生まれてくれたという本馬は「バランスの良い馬で、牧場時代はけがや病気はなく、手もかからない普通の馬」だったそうだ。
そんな馬が大きな仕事をやってのけてくれた。
「祖母のブルーリッジリバーが桜花賞(G1)2着馬で、さらにさかのぼればダイワメジャーやダイワスカーレットを輩出したスカーレツトインク系。この血統はなかなか手に入れることができません。ライラックは、もうすでに大きなタイトルを1つ取ってくれたので、周囲の期待もさらにハードルが上がっているとは思いますが、生産者として願うことは無事に競走を終えて、牧場に戻ってくれることが1番。さらにタイトルを積み上げてくれたら、最高ですね」と白い歯を見せてくれた。