重賞ウィナーレポート

2021年10月31日 天皇賞(秋) G1

2021年10月31日 東京競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エフフォーリア

プロフィール

生年月日
2018年03月10日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:6戦5勝
総収得賞金
776,636,000円
エピファネイア
母 (母父)
ケイティーズハート  by  ハーツクライ
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
鹿戸 雄一
騎手
横山 武史
  • 今年の夏から育成厩舎の数も増えている
    今年の夏から育成厩舎の数も増えている
  • 昨年は3頭のJRA賞馬を送り出した
    昨年は3頭のJRA賞馬を送り出した

 競馬は三強で争われるレースが面白い。今年の天皇賞(秋)(G1)は、昨年、無敗の三冠馬となったコントレイル。マイルの女王どころか、もはやマイルの絶対王者ともなったグランアレグリア。そして、無敗で皐月賞(G1)を制し、日本ダービー(G1)でも僅差の2着となったエフフォーリアの3頭が激突。

 最後の直線でも、馬群から抜け出したのは三強と目された3頭。先に抜け出したのはグランアレグリアだったが、残り100mで一気に交わし去り、そして、コントレイルの追撃も振り切ったのは、このレース、唯一の3歳馬であったエフフォーリアだった。

 3歳馬が天皇賞・秋を制するのは、02年のシンボリクリスエス以来19年ぶりの快挙。しかも、昨年の最優秀3歳牡馬と最優秀短距離馬を下しての戴冠は、更にエフフォーリアの評価を高めることにもなった。

 「今年の3歳世代は強いと言われてきましたが、クラシックを勝った馬が、それを証明するレースができたのは嬉しいです」とはノーザンファーム空港の高見優也厩舎長。世代の頂点を決める日本ダービー(G1)も勝ちに等しい2着と、この世代でもトップクラスの能力を持っていることは明らかだったが、それでもレース後は悔しかったと話す。

 「ダービー(G1)は勝ちに行った競馬となりましたが、それだけに勝った馬に目標とされたレースともなりました。仕方ないとの思いもありましたが、ただ、折り合い面でも不安が無いことを証明できただけでなく、距離も含めて今後に繋がるレースだとも思いました」(高見厩舎長)

 ダービー(G1)の後はノーザンファーム天栄で調整されたエフフォーリアであったが、エフフォーリアを所有するキャロットファームの秋田博章代表が、常に状態のチェックに行っており、高見厩舎長の元にも、「トモも更にパンとしてきて、かなり良くなってきている」との報告があったと話す。

 「育成時からトモが良くなるのは先だと思っていただけに、その点も含めて成長していると感じられました。パドックを周回する姿を見ても、トモがかなりパンとしていると思えましたし、これなら、古馬を相手でもいいレースができると思っていました」

 まさに完勝とも言えるレース内容となったが、育成時を知る高見厩舎長は、エフフォーリアはまだ競走馬としての完成を迎えていないと話す。

 「トモも含めて、更に良くなっていく余地が残っていると思います。今後、完成していく中でも、まだまだG1タイトルを積み上げてくれると思いますし、まだ先の話ともなるのでしょうが、種牡馬としての高い評価にも繋がってもらいたいです」(高見厩舎長)

 次走は有馬記念(G1)を予定。天皇賞(秋)(G1)とはまた違ったレースとなりそうだが、中山コースは皐月賞(G1)で経験済みであり、ダービー(G1)でのレースぶりや折り合いの不安が無い走りからも、距離の不安も感じられない。年末最後の大一番で、再び古馬を退けるようなことがあると、種牡馬としての評価を更に高めるだけでなく、今年の年度代表馬に選出される可能性も充分に出てきそうだ。