2021年10月10日 毎日王冠 G2
優勝馬:シュネルマイスター(GER)
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月23日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦4勝
- 総収得賞金
- 526,520,000円
- 父
- Kingman(GB)
- 母 (母父)
- セリエンホルデ(GER) by Soldier Hollow(GB)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- Northern Farm (独国)
- 調教師
- 手塚 貴久
- 騎手
- C.ルメール
デビューから4戦3勝でNHKマイルC(G1)を制覇したシュネルマイスター。初めての古馬との戦いとなった安田記念(G1)こそ3着に敗れはしたものの、秋初戦、そして古馬とは2度目の対決となった毎日王冠(G2)で、見事に勝利をおさめた。
「ホッとしました。調整先だったノーザンファーム天栄からは、順調に来ているとの報告も入っていましたし、改めて関係者に連絡をしなくとも、いい状態で競馬に臨ませてくれるものだと信じていました」とは、ノーザンファーム空港の伊藤隆行厩舎長。安田記念(G1)の後は、ノーザンファーム天栄で調整をしてきたシュネルマイスターであったが、「この毎日王冠(G2)はその時からの成長力を図るべく、物差しとなるようなレースでした」とも話してくれる。
「マイルに特化した成績こそ残していましたが、元々性格もいい馬ですし、今後を占う意味でも東京芝1800mは格好の舞台だと思っていました。また、ダノンキングリーもそうですが、安田記念(G1)で戦ったような古馬との再戦ともなりましたし、どんなレースを見せてくれるのかも楽しみにしていました」(伊藤厩舎長)
安田記念(G1)よりプラス8kgという馬体もさることながら、「パドックでゆったりと歩いている姿を見て、力を出し切れる状態だと思いました」とも話す伊藤厩舎長。ファンもこのレース唯一の3歳馬となったシュネルマイスターを1番人気に支持する中、巧みな手綱さばきでゴールへと導いたのが、鞍上を務めたC・ルメール騎手である。
1000m通過58秒5というハイペースの流れを、後方で脚を溜めていったシュネルマイスターは、最後の直線で進出を開始。先に抜け出したのは安田記念(G1)で先着を許したダノンキングリーであったが、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒フラットの末脚を使い、アタマ差交わし切った場所がゴールだった。
「開幕週で前残りの馬場だった中を、ハイペースの流れを読み切って、きっちりとゴールへ導いたルメール騎手は凄いと思います。また、安田記念(G1)からの成長だけでなく、シュネルマイスターのポテンシャルの高さを改めて証明できたレースとなったと思います」(伊藤厩舎長)
この一週間前に行われた凱旋門賞(G1)は、ドイツ産馬のトルカータータッソが優勝。同じドイツ産馬であり、キングマンの本邦初のG1勝ち馬でもあるシュネルマイスターの血統背景は、より注目を集めることにもなった。
「話題のドイツ血統馬となりましたね(笑)。このまま活躍を続けていけば、種牡馬となれるとも思いますし、その価値を更に高めてくれるようなスーパーホースともなってもらいたいです」(伊藤厩舎長)
伊藤厩舎長はNHKマイルC(G1)勝利を祝して、シュネルマイスターの関係者と喜びを分かち合えるようなポロシャツを制作している。そこにあしらわれているのは、様々な面で尊敬しているという角居厩舎のマークロゴだ。
「角居さんには馬に対する姿勢や調教方針だけでなく、このマークも継承させていただきますと伝えました。継承させていただいたからには、それに恥じない仕事をしていきたいですし、角居厩舎のように、伊藤厩舎からも多くの種牡馬を送り出したいです」
現在の生産界を沸かすルーラーシップ、エピファネイア、リオンディーズ、モーリス。そして新種牡馬ながら205頭の繁殖牝馬を集めたサートゥルナーリアの調教にも深く関わってきた伊藤厩舎長。シュネルマイスターもまた、ゆくゆくは伊藤厩舎長の元から送り出された種牡馬としてその名を残していきそうだが、それまでに、幾つものG1タイトルを積み重ねていくかが楽しみでならない。