重賞ウィナーレポート

2021年09月23日 園田プリンセスC(GDJ)

2021年09月23日 園田競馬場 晴 良 ダ 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グラーツィア

プロフィール

生年月日
2019年04月23日 02歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
19,375,000円
ホッコータルマエ
母 (母父)
エピックマジック  by  テレグノシス
馬主
岩山 博文
生産者
松浦牧場 (新冠)
調教師
田中 淳司
騎手
田中 学
  • グラーツィアの母エピックマジック
    グラーツィアの母エピックマジック
  • グラーツィアの半妹(牝当歳、父エピファネイア)
    グラーツィアの半妹(牝当歳、父エピファネイア)
  • 松浦牧場の放牧地
    松浦牧場の放牧地
  • 松浦牧場の当歳馬たち
    松浦牧場の当歳馬たち
  • 松浦牧場の厩舎
    松浦牧場の厩舎

 『グランダム・ジャパン2021』2歳シーズンの開幕戦「園田プリンセスカップ(園田)」は、北海道からの遠征馬グラーツィアが逃げ切り勝ち。3~4コーナーで同じく北海道から遠征してきたスティールノーヴァが捲りながら追い上げてきたが、直線でもう一度突き放して3馬身差のゴールイン。遠征の地で、嬉しい重賞初勝利を飾った。

 グラーツィアの生まれ故郷は、新冠町新栄の松浦牧場。1985年の第5回ジャパンカップ(G1)で、地方(船橋)所属馬ながらシンボリルドルフの2着と大健闘したロッキータイガーの生産牧場としてオールドファンにはお馴染み。近年も、コリアカップを2連覇したロンドンタウンなどの活躍馬をコンスタントに送りつづけ、現役世代の活躍馬には兵庫競馬で重賞7勝を挙げているジンギなどがいる。「ロッキータイガーがジャパンカップ(G1)で2着したとき、私はまだ中学3年生でした」と話すのは、松浦牧場の2代目代表・松浦快之さん。松浦さんは現在、愛馬会法人・ローレルクラブの代表も務めており、松浦牧場で生まれた馬たちも定期的にクラブへ提供。今年もロンドンタウンの半妹(牝当歳、父エピファネイア)などの松浦牧場生産馬が募集開始されているそうだ。

 グラーツィアはサマーセールで売買された馬だが、その血統には強い思い入れがあると松浦さんは話す。「私自身が米国キーンランドの繁殖セールに出向き、グラーツィアの祖母マジックペイントブラッシュという繁殖牝馬を購入してきたのがきっかけです。特に下見もしていなかったのですが、パレードリンクを歩く姿を見てひと目惚れしました。お腹にテイルオブザキャットの仔が入っていて、翌年生まれた牝馬はセレクトセールで2,415万円(税込)の評価をしていただきました。仔出しの良い繁殖牝馬でしたね」と松浦さんが話すように、マジックペイントブラッシュの産駒はほとんどが勝ち上がった。そして、松浦牧場にやってきて3年目に産んだ父キングカメハメハの仔(レイビスティー)は、のちに繁殖牝馬となって地方重賞20勝のカツゲキキトキト(朝野勝洋牧場生産 ※現役馬)を産んでいる。 「グラーツィアの母エピックマジックはマジックペイントブラッシュの晩年の産駒なのですが、最初から売らずに自分の名義で競馬を使うことに決め、2歳の1月頃までは自分で乗って調教もしていたんです。思い入れのある馬だったので、札幌の未勝利戦で勝利してくれた時は本当に嬉しかったです」と母エピックマジックに関するエピソードついても話してくれた。

 グラーツィアはホッコータルマエの2世代目産駒。その交配理由について「エピックマジック自身は芝の短距離で勝利したスピード馬でしたが、その兄弟はダートで走っている馬が多かったので、ダート系の種牡馬を試してみようと思ったんです。ホッコータルマエの生産者・市川ファームさんの馬づくりに対するこだわりに共感する部分もありましたから」と話し、「デビューしたのはまだ2世代ですが、ホッコータルマエ産駒は中央でも地方でも活躍していますね。将来、ダート界を引っ張っていく種牡馬になってほしいです」と期待を寄せている。

 今春、エピックマジックは父エピファネイアの牝馬を出産。その出来の素晴らしさに、松浦さんも顔を綻ばせる。「父は三冠牝馬デアリングタクトや皐月賞馬エフフォーリアを送り出しているエピファネイアで、さらにこの好馬体ですから夢が膨らみます。馬体の成長を見て来年のセレクションセールあたりに申し込もうと思っていますが、本音を言うと自分の名義で競馬を使いたいぐらいです(笑)」と目を細め、同期の当歳馬たちと放牧地を駆け回るグラーツィアの半妹を愛おしそうに見つめる。現在、エピックマジックのお腹にはシルバーステートの仔が宿っているそうだ。

 「グラーツィアは、レベルの高いホッカイドウ競馬で鍛えられた経験が今後に生かされると思います。今季の開催が終わったあと、どういう道を歩んでいくのかわかりませんが、とにかく順調に成長していってほしいですね。個人的には南関東の重賞で走る姿を見てみたいです」とエールを送る松浦さん。20代の頃から毎年のように訪れている海外の繁殖セールで17年前に購入してきた繁殖牝馬の孫世代が、こうして活躍を見せ始めている。つくづく、競走馬の生産とは奥が深いものだ。