2021年07月04日 CBC賞 G3
優勝馬:ファストフォース
プロフィール
- 生年月日
- 2016年05月09日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:15戦6勝
- 総収得賞金
- 313,847,000円
- 馬主
- 安原 浩司
- 生産者
- 三嶋牧場 (浦河)
- 調教師
- 西村 真幸
- 騎手
- 鮫島 克駿
サマースプリントシリーズの第2戦「第57回CBC賞(G3)」が7月4日、京都競馬場の改修工事に伴う開催日割の変更のため小倉競馬場で行われた。CBC賞(G3)が小倉競馬場で行われたのは1999年以来、22年ぶり2度目。
熊本県産馬として、史上初めてJRA重賞制覇の期待が寄せられたヨカヨカが1番人気に推される中、勝ったのは浦河町の三嶋牧場生産のファストフォース。JRAからデビューしたものの3歳時に勝ち上がることができず、初勝利は4歳4月の門別競馬場。3勝をあげてJRAに復帰すると、素質を開花させて2連勝。JRAに復帰後5戦目での重賞初勝利となり、通算成績を15戦6勝(JRAで11戦3勝)とした。
三嶋牧場の歴史は古く、戦前からアラブ競走馬を生産していたそうだが法人化されたのは昭和35年。60年を超える歴史の中で、今春の安田記念(G1)を制したダノンキングリーや、マーキュリーカップ(Jpn3)2連覇などダートグレード競走4勝のマスターフェンサー、あるいは京都大賞典(G2)など重賞2勝メイショウベルーガなどの活躍馬を送り出し、現在は生産と育成を手掛ける総合牧場として年間80頭前後の競走馬を生産、育成している。
今回、普段から苦楽を共にしているスタッフとともに牧場休憩室のテレビでレースを観戦していたという三嶋牧場野深分場の中村公昭場長に話を伺った。「まだ3勝クラスに出走できる条件馬ですし、今回は休み明け。せっかく重賞競走に挑戦できるのだから、この経験を次につながるようなレースをしてくれればよいと、気楽な気持ちで見ていました」
レースは、そんな中村場長たちにとっても意外な展開となった。
「まさか逃げるとは思っていなかったので、正直驚きました。馬場状態を見極めたジョッキーの好判断だったと思います。残り200mを過ぎてからは、もうみんなでもう必死で応援しました。この馬が歩んできた道を思い出し、先頭でゴールしたときは、言葉にならない感動でした」と喜びを表現した。
牧場時代のファストフォースは「あまり目立たない馬」だったそうだ。それは母親であるラッシュライフの仔に共通する特徴でもあるようで「重賞勝ち馬を2頭も出している素晴らしい繁殖牝馬ですが、どちらかといえば、晩成型。ファストフォースは育成時代から光るものがあったと聞いていましたが、なかなか勝てずにいた馬です。その馬が日本レコードで重賞競走を勝ってくれるとは本当に嬉しいです。厩舎関係者、ジョッキー、オーナーはじめ、この馬に携わったすべての人に感謝したいと思います」
そんな中村場長が胸を張ることがひとつ。「ファストフォースは離乳してから9頭で放牧していたのですが、その9頭全頭勝ち上がって、そのうち5頭がオープン馬になったんです」ということ。現在、ブリーダーズランキングで日高地区1位の三嶋牧場らしいエピソードだ。
「今年生まれたファストフォースの半弟(父ブラックタイド)は穏やかな仔で性格がとても可愛いです。1歳になる父ミッキーロケットの半妹も順調に成長しています。ファストフォースや三嶋牧場の生産馬を応援して下さっている皆様、いつもありがとうございます。皆様に注目して頂けるような競走馬を輩出して行けるよう精進して参りますのでこれからも応援をどうぞよろしくお願いいたします」というメッセージを預かった。