第1回日本ダービーが行われた目黒競馬場(現在の東京都目黒区)を記念して行われている目黒記念(G2)が、日本ダービー(G1)当日の5月30日の最終レースとして行われ、8番人気で丹内祐次騎手騎乗のウインキートスが積極的な先行策から早めに先頭にたって、そのまま後続の追撃を封じ込めて、2度目の重賞挑戦でJRA重賞初勝利。通算成績を16戦5勝2着5回3着3回とした。

 ウインキートスの生まれ故郷は新冠町のコスモヴューファーム。1996年創業で、現在の社名となったのが1999年というまだ歴史の浅い牧場ではあるが、香港カップ(G1)やQエリザベス二世C(G1)など重賞7勝のウインブライトや日経賞(G2)、フローラS(G2)に勝ち、オークス(G1)2着ウインマリリン、さきたま杯(Jpn2)などダートグレード2勝のウインムートなど国内外、中央地方で重賞勝ち馬を送り出している牧場だ。

 同牧場の岡田義広さんは「前走の日経賞(G2)も大きな不利がなければ好勝負できたのではないかと思っていましたので、改めて期待していました。ただ、今回は舞台が東京競馬場 に移りましたので、最後50mで切れ味勝負にはなって欲しくないなと思っていました」とレース前の心境を話し「勝ったから言えるのかもしれませんが、前走のアクシデントは本当に大きなもので、馬もケガなくこの舞台に進めたことが1番の勝因かもしれません」と冷静にレースを振り返ってくれた。

 牧場時代のウインキートスについては「生まれたときは、少し華奢なイメージですが、ひと言でいえば運動神経の良い馬」とのこと。それは母馬であるイクスキューズの産駒に共通している特徴とのことだが「デビューしたばかりの頃はその運動神経を100％発揮できるほどのパワーが付ききっていなかったのです。440kg台でデビューした馬が460kgにまで成長できたのはゴールドシップ、ステイゴールドが伝える成長力のおかげ。この馬にパワーを与えてくれたと思います。最近は、走るフォームもしっかりしてきたので、この馬自身もかなり力もつけているのだと思います」とのこと。

 そして、この勝利によって種牡馬ゴールドシップは前週のオークス(G1)(優勝馬ユーバーレーベン)に続いて2週連続の重賞勝利となった。

 「この馬自身が大きなタイトルを獲得してくれたことはもちろんですが、それがゴールドシップの仔というのが格別です。ゴールドシップ自身は本当に頭の良い馬で、産駒も多くの方から指摘されているような危なさみたいなものはまったく感じさせません。比較的小柄な馬が多いステイゴールド系にあって馬格に恵まれるゴールドシップは種牡馬として魅力的だと思います。この勝利がゴールドシップを見直してもらえるきっかけになれば嬉しい」と期待している。