2021年05月09日 NHKマイルC G1
優勝馬:シュネルマイスター(GER)
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月23日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦3勝
- 総収得賞金
- 526,520,000円
- 父
- Kingman(GB)
- 母 (母父)
- セリエンホルデ(GER) by Soldier Hollow(GB)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- Northern Farm (独国)
- 調教師
- 手塚 貴久
- 騎手
- C.ルメール
ここまで3戦2勝、2着1回。唯一の敗戦となった弥生賞(G2)も初めての芝2000mに加えて、負けた相手が後に皐月賞(G1)で2着となるタイトルホルダー。このNHKマイルC(G1)で得意とする芝マイル戦に戻ったシュネルマイスターが、重賞勝ち馬たちを差し置いて2番人気の支持を集めたのは、ファンからの期待の表れだったのかもしれない。
「ルメール騎手が120点の騎乗を見せてくれました。パーフェクトではなく、それ以上の騎乗だったと思います」と話すのは、シュネルマイスターの調教を手掛けた、ノーザンファーム早来の伊藤隆行厩舎長。ゴール前は先に抜け出したソングラインと並ぶようにゴール板を駆け抜けたこともあり、一瞬、どちらが勝ったか分からなかったと話すが、それでもスローでの再生映像を見た時に、勝利を確信したとも話す。
馬名の由来は「スピードの達人」というドイツ語から来ているシュネルマイスターだが、その卓越したスピード能力を遺伝させたのは、通算成績8戦7勝、うちマイルG1で4勝をあげた父Kingman譲りと言える。
「育成時から高いスピード能力を感じていましたが、ストライドを伸ばしながら加速していく走りを見ていると、距離もこなせるのではとの思いもありました。順調に乗り込んできたものの、お腹がぽっちゃりとしていたように体型には幼さが残り、成長途上のままで厩舎へと送り出したとの思いもありました」(伊藤厩舎長)
しかしながら、9月のメイクデビュー札幌(芝1500m)に出走してきたシュネルマイスターは、能力の違いを見せつけるような強いレース内容で見事に初戦を飾る。そのレース後には調整のために伊藤厩舎へと戻ってきた。
「レースを使った疲れもあったのですが、フォルムが送り出した頃と全く変わっていて、経験が馬を成長させてくれたと思いました。ただ、まだ緩さも残っていたので、今の状態であれだけのレースができたのならば、成長した暁には物凄い馬になるのではとも思いました」
続くひいらぎ賞も快勝して、十分な感覚を取ってから臨んだ弥生賞(G2)。結果は前を行くタイトルホルダーを捉えられずに1馬身1/4差の2着となったが、「このレースは負けても収穫があった」と伊藤厩舎長は話す。
「前の馬だけでなく、後ろにも有力馬がいた中で難しいレースになったと思います。それでもこの距離をこなせる走りを見せてくれたと思いますし、今後のレース選択においても幅が出てくる結果だと思いました。これも成長に合わせていい状態でレースに臨ませてくれた、手塚先生や厩舎の皆さん、そしてノーザンファーム天栄スタッフのおかげだと思います」
3歳マイル王となったシュネルマイスターだが、次走に選んだのは、古馬の一線級がずらりと揃った、日本競馬の最強マイラーを決める安田記念(G1)。そこにはヴィクトリアマイル(G1)を制して、史上初となる古馬芝マイルG1完全制覇を果たした、グランアレグリアも出走してくる。
「強いお姉さんだけでなく、強いお兄さんたちも揃ったレースとなりますが、それでも出走させてもらえたのは、関係者の皆さんのシュネルマイスターに対する期待の表れだと思います。今後の活躍を占う一戦となるかとも思いますし、どんなレースをしてくれるか楽しみです」
シュネルマイスターが安田記念(G1)を勝利すれば、2011年のリアルインパクト以来となる3歳馬の優勝。古牡馬よりも4kg軽く、そしてグランアレグリアといった古牝馬よりも2kg軽い5kgの斤量を武器として、一気に日本一のマイラーへと躍り出る。