重賞ウィナーレポート

2021年04月18日 皐月賞 G1

2021年04月18日 中山競馬場 晴 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エフフォーリア

プロフィール

生年月日
2018年03月10日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:4戦4勝
総収得賞金
776,636,000円
エピファネイア
母 (母父)
ケイティーズハート  by  ハーツクライ
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
鹿戸 雄一
騎手
横山 武史
  • G1馬も数多く送り出してきた
    G1馬も数多く送り出してきた
  • クラブの動画撮影も行われている
    クラブの動画撮影も行われている

 皐月賞(G1)当日、本来ならば休日だったノーザンファーム空港C-1厩舎の高見優也厩舎長は、私用で育成厩舎を訪れていた。

 「そうこうしているうちに、レースの時間が近づいてきたことや、出勤していたスタッフもいたので、みんなでレースを見ようということになりました」

 C-1厩舎の休憩室には、史上7頭目の三冠馬となったオルフェーヴルなど、これまで厩舎から送り出された重賞馬たちのパネルが、まさに壁一面に飾られている。

 この皐月賞(G1)で2番人気となったエフフォーリアであるが、1番人気を集めていたダノンザキッドもまた、ノーザンファーム空港C1厩舎の育成馬。互いにマイナス体重での出走となったが、エフフォーリアは16頭の出走馬の中でも、一際状態が良く見えていた。

 「約二か月ぶりのレースとなりましたが、それでも馬体は仕上がっているように見えました。ノーザンファーム天栄のスタッフや、管理をする鹿戸厩舎の皆さんが、いい状態でここに望ませてくれたのだろうとも思いました」

 共にパドックを見守っていた中には、入社して間もないスタッフの姿もあった。育成時からコントロールの利いた走りができていたエフフォーリアは、そのスタッフだけでなく、当時、C1厩舎にいたスタッフの誰もが一度は跨ったことのある馬だった。

 皐月賞(G1)のレースでも、そのコントロールの良さは遺憾なく発揮されていった。好スタートを切ると力むことなく、折り合いの付いた走りを見せていく。最後の直線では横山武史騎手の判断でインコースに進路を構えると、そこから力の違いを見せるかのように、後続との差を放していく。

 「抜け出した時に、これはいけると思いました。それでも無敗で皐月賞馬になるとは、信じられない思いもしています」

 エフフォーリアの長所は、誰もが乗れるコントロールのいい馬であった一方で、当時からここまでのパフォーマンスを見せるようなエピソードは、全くと言っていいほどに無かった。それだけに今後の成長力は計り知れなく、またダービー(G1)までにどれほど良化していくかという上がり目が、2着につけた3馬身差という着差に、更に上積みされていく。

 「まずは無事にダービー(G1)を迎えてもらいたいです。距離が伸びる上に、 長い直線と広い馬場では、更に走りも良くなると思います。ダービーを勝った後に、今後の展望も開けてくるのでしょうね」と高見厩舎長はあるパネルを見やる。そこには皐月賞(G1)をエフフォーリアと同じように3馬身差で快勝した後、日本ダービー(G1)も勝利した、オルフェーヴルの姿があった。