重賞ウィナーレポート

2021年03月27日 日経賞 G2

2021年03月27日 中山競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ウインマリリン

プロフィール

生年月日
2017年05月23日 04歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
351,901,000円
スクリーンヒーロー
母 (母父)
コスモチェーロ(AUS)  by  Fusaichi Pegasus(USA)
馬主
(株) ウイン
生産者
コスモヴューファーム (新冠)
調教師
手塚 貴久
騎手
横山 武史

 天皇賞(春)(G1)への重要なステップレースで、優勝馬には同レースへの優先出走権が与えられる「第69回日経賞(G2)」が3月27日、中山競馬場で行われた。勝ったのは、新冠町のコスモヴューファームが生産したウインマリリン。好スタートから良いポジションをキープすると、早めに抜け出して後続の追撃を凌ぎきった。ウインマリリンの重賞制覇は昨年のフローラS(G2)に続いて2回目。この勝利で通算成績を9戦4勝としている。

 コスモヴューファームは1996年に創業。比較的歴史の浅い牧場ではあるが、生産から中期、後期育成などを行っている総合牧場で、その歴史の中でウインブライト(香港カップ(G1)、クイーンエリザベス二世C(G1))やウインガニオン(中京記念(G3))ドリームシグナル(シンザン記念(Jpn3))ほか、ダートグレード競走で活躍したウインムート(さきたま杯(Jpn2)などを送り出している牧場だ。

 同牧場の岡田義広さんにレースの印象を伺った、「前走(AJCC(G2))は外枠で少し競馬がしにくかった印象ですが、今回は内枠の利を十分に生かし切ってくれたと思います。横山(武)騎手の好判断もありましたし、良いタイミングで前が開くなど恵まれた面もありますが、それでも実績上位の年長馬を相手に勝ち切るということは力がなくてはできない芸当。牧場時代から期待の大きかった馬だけに、うれしいです」と33年ぶりとなる牝馬の日経賞(G2)優勝に頬を緩めている。

 「コスモヴューファームでは、馬を鍛えるために広い放牧地で昼夜放牧を行っているのですが、その放牧地で相当に長い距離を走ったにもかかわらず、ほかの馬とくらべてほとんど息があがらない状態で戻ってきたことがあります。それくらい、この馬の心肺機能は素晴らしいものがありました。ウインマーレライの妹でもあり、当時から、何か大きな仕事をやってくれるのではないかと内心、期待していました」と牧場時代のエピソードも話してくれた。

 早期デビューを目指して1度はトレセンに入厩したものの、軽微なアクシデントもあって2歳12月のデビューに。しかし、その初戦を快勝すると。3戦2勝で挑んだフローラS(G2)に優勝。優先出走権を得て出走したオークス(G1)でもデアリングタクトからコンマ1秒差2着と健闘する。

 勝てば、牝馬としては68年ぶり2頭目の快挙だが、手塚厩舎にとっては天皇賞(春)(G1)3連覇がかかる1戦。「とてもバランスの良い馬で、容易にバテないのが持ち味だと思っています。天皇賞(春)(G1)は長輸送してからの競馬になりますが、良い状態で、この馬の持ち味が生きるような競馬になればチャンスもあると思う」と期待している。