2021年03月28日 マーチS G3
優勝馬:レピアーウィット
プロフィール
- 生年月日
- 2015年04月15日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:18戦6勝
- 総収得賞金
- 132,585,000円
- 母 (母父)
- ランニングボブキャッツ(USA) by Running Stag(USA)
- 馬主
- 金子真人ホールディングス (株)
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 堀 宣行
- 騎手
- 石橋 脩
芝とダートの双方で重賞勝利を果たしたアジアエクスプレス。OBSマーチセールの後、ノーザンファームでデビューまでの期間を管理されるが、その時に幾度となく騎乗してきたのが、全弟となるレピアーウィットの管理を行ってきた山内大輔厩舎長だった。
「レピアーウィットも兄と共通する馬体の良さがありましたし、動きの良さも目立ってました。芝かダートかと言われれば、力強さからしても、ダート色が強い印象こそありましたが、それでも芝もこなせるのではとも思っていました」
デビュー戦を含めて、芝で3戦したレピアーウィットであるが、勝ち星をあげられず、4戦目からはダートに戦いの場を移していく。初のダート戦をすぐに勝ち上がってみせると、続く500万下も勝利。血統背景も相成って、一気に兄弟重賞制覇への期待は高まった。
「この調子ならば、一気に重賞まで駆け上がっていくのではと思っていました。ただ、気持ちにムラがあるらしく、時には自分からレースを止めてしまうこともあったようです」
レピアーウィットが3勝目をあげたのは4歳4月の利根川特別。続く薫風Sも勝利してオープン入りを果たすも、再び人気を裏切るレースを続けたかと思いきや、8番人気のマーチS(G3)で3着となるなど、人気と結果が伴わないレースを続けていく。
「牧場時代はそんな素振りも無かったどころか、むしろ優等生と言えるような性格をしていました。休養でも度々牧場に戻ってきていましたが、気性面の問題は無かったですね」
ただ、調教を続けていく中で、山内厩舎長は送り出す前の唯一のウイークポイントと考えていたトモの弱さが、解消されつつあったことに気づかされる。
「育成時は早い時期から活躍できると思っていた馬でしたが、トモが良くなったことで更に馬が完成した印象を受けました。去年の夏もいい状態で送り出せたと思えましたし、休養明けのレースとなったラジオ日本賞で勝ってくれた時は、まだまだ奥がある馬だと確信しました」
続く武蔵野S(G3)こそ10着に敗れたものの、昨年は3着となるなど、コース適性もあっていた今年のマーチS(G3)は、レース前から期待も大きかったと話す。
レースは圧倒的な一番人気を集め、このレースでも主導権を握ると思われていたアメリカンシードが出遅れる形となったが、1000m通過が59秒7というハイペースで流れ、好スタートを切ったレピアーウィットは3番手からレースを進めていく。最後の直線、ナムラカメタローが先頭に立つも、残り一ハロン過ぎから交わしに行ったレピアーウィットは、そのまま先頭に躍り出ると、追い込んできたヒストリーメイカーに半馬身差をつけてのゴール。気性のムラなど感じさせないような完勝だった。
「6歳という年齢を感じさせないほどの強いレースでした。次走が試金石となりますが、心身ともに完成に近づいた印象もありますし、いいレースを見せてもらいたいです」
次走は4月18日に行われるアンタレスS(G3)となった。重賞連勝の期待もかかるが、ここでもマーチS(G3)のような優等生ぶりを発揮するようだと、兄弟G1制覇も視野に入ってきたと言えそうだ。