2021年03月21日 スプリングS G2
優勝馬:ヴィクティファルス
プロフィール
- 生年月日
- 2018年05月01日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:3戦2勝
- 総収得賞金
- 121,612,000円
- 父
- ハーツクライ
- 母 (母父)
- ヴィルジニア by Galileo(IRE)
- 馬主
- (株) G1レーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 池添 学
- 騎手
- 池添 謙一
デビューから3戦2勝。しかも共同通信杯(G3)では2着と、ほぼパーフェクトな成績で、皐月賞(G1)へと向かうヴィクティファルス。育成時から将来を嘱望されてきたのかと思いきや、管理をしてきたノーザンファーム空港の佐々木敦吏厩舎長からは、全く違う答えが返ってきた。
「こちらに来た頃は馬体もそれほど大きくなく、父のハーツクライらしくない、どこかコロンとしたイメージがありました。見るからに成長も遅そうでしたし、馬体を含めて、下地をじっくりと作るイメージで調教を始めました」(佐々木厩舎長)
ただ、ヴィクティファルスはその見た目とは違う軽い足さばきをしており、フットワークの良さも目を引いていた。馬体も競走馬らしくなるにつれて、走りにも力強さが出てくるようになり、一時は早期移動のプランも持ち上がったが、当初の予定通りに夏場も北海道で調整を行い、函館でゲート試験を受けた上で、8月にノーザンファームしがらきへと移動していった。
「送り出す頃には唸るような動きを見せていました。本当に良くなるのはまだ先だとしても、これなら新馬戦から結果を出せるのではと思っていました」(佐々木厩舎長)
その期待通りにメイクデビューを快勝。共同通信杯(G3)でも、無傷の3連勝でこのレースを制したエフフォーリアに2馬身半差まで迫るなど、成長の証を示して臨んだのがスプリングS(G2)だった。
前のレースまで強い雨が降りしきっていたレースは、重馬場まで馬場が悪化しただけでなく、強い風も吹くなど、競走馬としての総合力も問われる舞台となった。
ただ、佐々木厩舎長はこの条件でも、ヴィクティファルスの能力は損なわれないと見ていた。
「牧場時代からピッチ走法でしたし、上半身を起こしながら、バランス良く走れていたので、馬場でのめることは無いと思っていました。また母父に入ったGalileoが、走りに力強さを出しているとも見ていました」
最後のコーナーでは外へ振られたものの、結果としては馬場のいいところを走れたことも功を奏したかのように、そこから一気に末脚を爆発させていく。最後は前で粘りこむアサマノイタズラをアタマ差交わしての勝利。同じコースで行われる皐月賞(G1)の優先出走権を、勝利という形で掴み取った。
「馬場のいいところを通って、いい末脚を見せてくれましたし、最後も勝負強いところを見せてくれました。まだまだ奥があるのは間違いありませんし、皐月賞(G1)も楽しみになる勝利でした」そう話した佐々木厩舎長は、ぽつりと、「焦らずに待てて良かったです」と話す。待てば海路の日和ありという言葉があるが、それをヴィクティファルスは皐月賞(G1)で証明してくれそうだ。