重賞ウィナーレポート

2021年03月06日 チューリップ賞 G2

2021年03月06日 阪神競馬場 曇 稍重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エリザベスタワー(GB)

プロフィール

生年月日
2018年01月23日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
44,040,000円
Kingman(GB)
母 (母父)
ターフドンナ(GER)  by  Doyen(IRE)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
Shadai Farm (英国)
調教師
高野 友和
騎手
川田 将雅
  • 歴史を感じさせる入口
    歴史を感じさせる入口
  • 入口の奥にも放牧地が広がっている
    入口の奥にも放牧地が広がっている

 イギリス産まれの外国産馬ながら、生産名義はアルファベット表記の「Shadai Farm」。重賞初挑戦となったエリザベスタワーが、チューリップ賞(G2)において、同着での初重賞制覇を果たした。

 「当歳時の11月末に、イギリス・ニューマーケットから牧場へと入場してきました。当時の印象としては、馬体が大きかったということもありますが、堂々とした振る舞いや聡明な顔つきからしても、年上の馬が混じっているような感覚がありました」と話すのは社台ファームの中田守育成主任。父のKingmanは英のサセックスS(G1)と、仏のジャックルマロワ賞(G1)を、史上初めて同一年に優勝した、近年の欧州を代表する名マイラー。母ターフドンナは2015年の独オークス馬でもあり、その良血ぶりも佇まいとして表れていたのではないかという印象を受ける。

 その後の騎乗調教も順調にこなしていったエリザベスタワーは、早期デビューのプランも出ていた矢先、逆体温の症状が見られ、2歳の夏シーズンを、山元トレーニングセンターで過ごすこととなる」

 「我々としても期待が大きかっただけに、思わぬアクシデントに気を落とす形となりましたが、その間も本馬の活躍を疑わずに待っていてくださった、出資会員の皆様の熱い思いには本当に助けられました」(中田育成主任)

 デビューとなった2歳12月のメイクデビュー阪神では、後方から、上がり最速となる33秒6の末脚を使って勝利。続くエルフィンSでは1番人気を背負いながらも9着に敗れるも、このチューリップ賞(G2)では先行して、最後の直線ではインコースへと向かい、最後はメイケイエールとマッチレースを繰り広げたままゴールを果たした。

 「エルフィンSは残念な結果となっただけに、よくぞこの舞台で巻き返してくれたと思います。直線ではモタれるようなところもありましたが、桜花賞(G1)はすっきりと差し切ってくれることを願っています」と話す中田育成主任であるが、その言葉を叶えてくれそうなのが、チューリップ賞(G2)に続いて手綱を取ることになった川田将雅騎手の存在。今年春のG1シリーズは、ダノンスマッシュ(高松宮記念(G1))、レイパパレ(大阪杯(G1))と手綱を取ってきた馬が勝利をあげており、エリザベスタワーにも一度騎乗したことで、癖もつかんでいるはず。桜花賞(G1)の舞台で、欧州の良血が開花するのかもしれない。