重賞ウィナーレポート

2021年02月28日 中山記念 G2

2021年02月28日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヒシイグアス

プロフィール

生年月日
2016年01月22日 05歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:11戦6勝
総収得賞金
378,390,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ラリズ(ARG)  by  Bernstein(USA)
馬主
阿部 雅英
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
松山 弘平
  • 今年の2歳世代にも楽しみな馬が揃っている
    今年の2歳世代にも楽しみな馬が揃っている
  • 場内は馬優先で
    場内は馬優先で

 この中山記念(G2)では、中山金杯(G3)に続く重賞制覇。1番人気に応えるような堂々たるレースを見せたことも含めて、まさにヒシイグアスは5歳を迎えて本格化したと見るべきだろう。

 「それまでは間隔を空けながらレースを使っていたことを考えると、成長と共に体質も強くなったことが、この快進撃に繋がっていると思います」とはノーザンファーム空港の足立稔厩舎長。確かにこれでキャリア11戦であることからしても、馬本位と言えるローテーションでの勝利となったが、「牧場時代も時間をかけながら調教を進めてきた馬」だと、中山金杯(G3)を勝った時にも話してくれていた。

 「その時にもお話したことですが、行儀の面も含めて、あの世代では最も苦労した馬でした(笑)。馴致が終わるのも最も遅くなりましたし、それだけに、この活躍は苦労が実ったとの思いもありますね」

 それだけに足立厩舎長は、自らの元を離れてからの管理を行っている、ノーザンファームしがらき、そして堀調教師や厩舎スタッフへの感謝も口にする。

 「皆さんにはずいぶん、手をかけさせたと思いますし、連勝を積み重ねるほどに状態良くレースを使ってもらっていることにも感謝しかありません」

 初重賞制覇という勢いこそありながら、それでもメンバー構成を見て、勝つのは難しいのではないかと思っていたと、足立厩舎長が話すこの中山記念(G2)。バビットとウインイクシードが激しい先行争いを繰り広げたレースは、1000m通過57秒8というハイペースのレースとなったが、4番手からレースを進めたヒシイグアスはしっかりと脚を伸ばしていき、ゴール前ではケイデンスコールとのたたき合いを制して勝利。勝ち時計の1分44秒9は中山芝1800mのタイレコードとなった。

 「もう少し楽に勝てるのでは…とも思っていましたが、それでも完璧と言えるレース内容で、あの時計を出してくれたわけですから、本当に強くなったと思います。今後はメンバーもまだまだ強くなりますが、そこでもいいレースを見せてもらいたいですね」と足立厩舎長はヒシイグアスにエールを送る。次走は初のG1挑戦、そして初の海外遠征となる、クイーンエリザベスⅡ世C(G1)。世界の名馬を相手にしようとも、今のヒシイグアスならば、その勢いのままに世界制覇を果たすのかもしれない。