2021年02月20日 ダイヤモンドS G3
優勝馬:グロンディオーズ
プロフィール
- 生年月日
- 2015年04月10日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦5勝
- 総収得賞金
- 110,476,000円
- 父
- ルーラーシップ
- 母 (母父)
- シェリール by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 田村 康仁
- 騎手
- 三浦 皇成
6歳にして、キャリアはまだ10戦。そのローテーションの中に、グロンディオーズという競走馬が歩んできた、苦難と栄光の証が詰まっている。
「育成時の印象としては、フレームが大きいながらも緩さが目立っていて、成長過程もゆっくりなのではといった印象がありました」と話すのは、育成を手掛けたノーザンファーム空港の佐々木淳史厩舎長。しかも体質もそれほど強くなかったこともあり、デビューも3歳の2月となるが、それでも背中の良さや調教の動きは、待ったかいがあったと思わせるような能力の高さを感じさせるようになっていた。
その期待通りに新馬戦を勝利すると、その年の8月には信濃川特別を勝利して、ついには菊花賞(G1)にも歩を進めていく。
「血統背景だけでなく、これまでのレースを見ても長距離適性の高さは明らかでしたし、しかも鞍上はモレイラ騎手。一発があるのではと期待をしていました」(佐々木厩舎長)
しかしながら、結果は13着に敗退。しかも、レース後には左前脚に屈腱炎の発症が見つかった。
「正直、脚元の状態は良くありませんでした。復帰も難しいのではと思っていましたが、それでも、会員の皆さんをはじめとして、待っていてくれる方もいるのだから、やれるところまでやろうという気持ちになりました」(佐々木厩舎長)
それから屈腱炎との長い戦いが始まった。毎朝、脚元の状態を確かめた後でリハビリのメニューを決め、トレッドミルから始まった調教は、いつしか乗り運動へと変わっていった。その過程の中で、佐々木厩舎長はグロンディオーズの肉体的な変化にも気付く。
「元々奥手の馬だと思ってはいましたが、馬体の変化も著しくなってきただけでなく、緩さも抜けてきました。相変わらず脚元の状態は一進一退でしたが、それでもこちらでできるだけのことはやって、あとはノーザンファーム天栄、そして、田村厩舎の皆さんにお任せしようと思いました」(佐々木厩舎長)
グロンディオーズが調整されていたノーザンファーム天栄にも、佐々木厩舎長は度々、連絡を取っていたが、幸いなことに脚元の状態は落ち着いており、田村厩舎に移動してからも、復帰に向かうような情報だけが聞こえてきた。
約1年半ぶりのレースとなった江の島S。結果は15着だったが、それでも佐々木厩舎長は、グロンディオーズが再び競馬場を走っている姿を見られただけで満足だった。しかしながら、続く日本海Sでは8番人気の低評価を覆して2着に入着。復帰3戦目となる六社Sでは、見事1番人気に応えて勝利。菊花賞(G1)以来となる重賞挑戦となった中日新聞杯(G3)こそ5着に敗れたが、芝3400mの距離で行われるダイヤモンドS(G3)は、高いステイヤー適性を示していたグロンディオーズにとって、願っても無い条件のレースでもあった。
「ハンデ戦でもありましたし、ひょっとしたら…との期待もありました。エンジンのかかるのが遅い馬ながらも、三浦騎手がいいポジションでレースを進めてくれていましたし、ゴール前では久しぶりに『行けー!』と叫んでいました」(佐々木厩舎長)
最後の直線で先に抜け出したのは、圧倒的な1番人気の支持を集めたオーソリティ。瞬発力の違いで置いて行かれたかのようにも見えたグロンディオーズではあったが、一歩、また一歩とその差を詰めていき、ついにはゴール前でクビ差交わし切る。
勝利の瞬間、佐々木厩舎長の周りには復帰までの後押しをした牧場スタッフの姿もあった。
「自分だけでなく、スタッフにとっても、いい勉強をさせてもらった馬だと思います。改めて自分たちは、競走馬の未来を預かる仕事をさせてもらっているとも感じさせてもらいましたし、しかも重賞制覇という最高の結果に繋がったことで、更に仕事に対する自信も深まりました」と話す佐々木厩舎長。復帰後は十分な間隔を取りながら使ってきたグロンディオーズだが、次走は目黒記念(G2)に決定。競馬だけでなく、脚元との戦いもまだまだ続いていくが、その勝利はグロンディオーズの関係者全てにとって、また違った感動や喜びを与えてくれるのだろう。